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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年1月8日付け

 先の正月に菅首相と小沢一郎さんが、華やかな新年会を開き新しい年の繁栄を祈り酒盃を傾け歓談したそうだ。首相の官邸には50人が集まり、小沢一郎宅には140人かが駆けつけて「今年も頑張ろう」と誓い大いに気勢を上げたの報道があり、どうやらこの新年会勝負は小沢さん勝利の記事もあった。まさか—この腹いせのためではなかろうが、菅首相の年頭会見は、凄まじいばかりの反小沢である▼首相は、(もし小沢氏が起訴されたなら)「議員辞職を要求する」とまで迫ったのだから、これはもう正月の祝いどころではない。民主党の活動方針にも「政治とカネ」を取り上げての小沢攻めである。鳩山前首相と小沢氏には、確かに金銭について不明朗なところがあるのは否定できない。政治的な師匠である田中角栄元総理と金丸信氏は、ともにカネの問題が露見して政治の世界から追われたと見ていい▼どうも、小沢氏はこの師匠の血筋をしっかりと受け継いだらしく、マスコミや国民からの批判も多い。「派閥は力」の哲学も田中譲りだし、今も小沢派を背景にして重みをもっているのはご承知の通りである。この巨大な勢力に真っ向から挑もうとする首相の意気込みは評価したい。が、その目指すところが実現するかどうかは、まったくわからない。もしかすると、民主党が分裂するかもしれないし。騒ぎは無限に拡大の恐れも▼まあ、この難問をどう解決するかが、新年の課題だろうし、菅内閣を掛けての闘いになるだろう。小沢氏は軽く反論しているだけで沈黙は金を決め込んでいるが、この先どう動くのかが見ものである。(遯)

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