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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年2月17日付け

 2年前の木多喜八郎、小川彰夫両氏による文協会長候補討論会の記事を読み返してみた。上原幸啓前会長時代の「文協ネット」計画を木多氏は持ち出して、全伯の日系団体の関係緊密化を図る方針を演説していた▼そこで16日午後現在の文協ネット(www.bunkyonet.org.br)を覗いてみると、トップ記事がポ語「サントス日本人会で新しい講座」で更新日付は昨年8月17日になっていた。その前の記事は昨年6月のやはりサントス、その前もサントス、まるでサントス日本人会のサイトのようだ▼本来はあちこちの地方文協が情報を公表する場所として設置されたサイトのはずだが、どうも偏っている。それとも、まさか2年経ってもまともに動いていないのか。2年前の討論会で木多候補は「文協ネットは順調な進捗状態だ」と繰り返していたはずだが・・・▼ただし右上の「Agenda Integrada」は16日のイベントが入っているので更新していない訳ではない。でもトップ記事が半年前では文協のIT化が泣く▼日系産組、南銀が健在だった時代にはITなどなくてもしっかりとした顔と顔のつながりがあった。文協も安立仙一事務局長の時代には広い人脈があった。それらが無くなった今は、地方との関係を再構築すべき転機だ▼文協ネットがこの有様だからと、現執行部の全てを否定するつもりはない。上原会長時代からの文協フォーラムや木多会長が始めた文協RURALを軽んじるつもりはない。でも、体制派は常に追われる立場であることを肝に銘じて欲しい。その緊張感の持続にこそ、対立候補が存在する民主的会長選挙の意味があるのだから。(深)

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