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放送大学=海外学生募集近く実施へ=東教授がメリット語る=帰伯子弟も日本の教育続ける機会

ニッケイ新聞 2011年3月22日付け

 海外展開の体制を整備しつつある放送大学(千葉県、石弘光学長)の東千秋教授が広報のため個人で来伯し、先月23日来社した。近くブラジルからも生徒を募集する考えでサンパウロ、リオを訪問。テレビやラジオで講義を行う同大学で海外の受け入れが実施されればインターネットを通じて授業を受け訪日無しで大学の卒業資格が習得できる事になる。「いい仕組みを使用して欲しい」と東教授は呼びかけた。金融危機後の帰伯子弟らにとってもチャンスの拡大となりそうだ。

 東教授の案内によると4月からニューヨーク、ロサンゼルスで学生受け入れ調査が行われるという。同様の調査は最終年度を迎え海外学生に対し日本の学生と同等の各種サービスを提供することを想定している。
 同大には「生活と福祉」「心理と教育」「社会と産業」「人間と文化」「自然と環境」の5コース、同大学院に6コースが準備される。
 海外ではインターネットで録画された講義を聴く事になり、受講する時間は自由。教科書も届けられる。
 学生は18歳から96歳の幅広い年齢層で40から50歳代が多い。長寿で知られた双子姉妹「きんさん、ぎんさん」も在籍していたという。
 1科目2単位で62科目を修得すれば卒業でき、単位認定料も約50万円で済む。東教授は「昼間でも夜中でも好きな時に1コマ45分の授業を受けることができる。10年まで在学可能で自分のペースで学習を進められる」と利点を語る。
 来年度にはブラジルで学士、修士の両課程で生徒募集が行われる可能性もあるという。世界金融危機後帰伯したが日本の教育を続けたいブラジル人子弟らにとっても「非常に良い」と入学を勧める。
 高校の課程をやり直す科目もあり、高卒資格が無くても入学でき10科目の取得でその認定が与えられる。短大の単位互換もできるという。日本語教師らへは大学院の入学を呼びかける。
 東教授はリオ連邦大学の名誉博士で同大に6年間勤務。「ブラジルが好き。その恩返しです」とブラジル内で実費で広報活動を行った。「いい仕組みを利用して欲しい」、最後にそう呼びかけた。
 詳細は同学ホームページ(http://www.ouj.ac.jp)まで。

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