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茨城県人会=創立50周年式典を中止=震災の影響、苦渋の判断

ニッケイ新聞 2011年3月30日付け

 ブラジル茨城県人会(小林操会長)は、東日本大震災の影響で、県から橋本昌知事ら慶祝団の派遣を取り止めると通達されたことを受け、5月11日に予定していた「創立50周年式典」の中止を発表した。
 震災発生時は県庁とも連絡が取れなかったが、約1週間後の18日に正式な通達があり、20日の緊急役員会で開催中止を決めた。
 同時に支援活動に力を入れることとし、会員や各県人会支部に協力を要請、義捐金のほかに被災地へのメッセージも募る。
 東洋美術展などの関連事業も中止、記念誌は13年を目処に発行を予定する。「50周年は敬老会を中心に内輪で祝う」(小林会長)が開催日は未定だ。
 小林会長と若松孝司副会長が28日に来社、「すでに招待状も郵送しており、多くの人にご迷惑をかけることになる」と話しながらも「一世最後のご奉仕、と張り切っていただけに残念」と肩を落とした。
 若松副会長は、「今でもガソリンが手に入らず、市民の足の鉄道は止まったまま。気分的にも祝う気分になれない」と話す。
 「弟は1週間、車で寝泊りしていた」という小林会長は、「震災被害は身近な問題。式典にはお金を出せないが、義捐金なら出すという会員もいる。助成金を頂いている会としても出来るだけ母県に対する支援をしていきたい」と表情を引き締めていた。

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