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援協=菊地体制初の理事会開く=32万レ義捐金も送金へ

ニッケイ新聞 2011年5月5日付け

 サンパウロ日伯援護協会(援協)の定例理事会が、先月28日午前11時半から同協会本部4階会議室で開かれた。先般の理事会選挙で菊地義治氏が新会長に就任して以来、初の定例理事会となった。
 会の冒頭で菊地新会長は、「一昨年には創立50周年を迎え、援協が果たす役割の重要性は昨今ますます高まりつつある。より一層の組織の充実を図り、新しい方向性も模索しながら、役員の皆様と協力して発展を目指したい」と挨拶した。
 会議では前回理事会の議事録発表、3月分の会計報告、事務局報告が行われた後、新理事会および監事会の紹介、各専門委員会、委員長、構成委員の指名が行われた。
 その際、専門委員会の構成委員に実際働いている援協職員が名を連ねているのはいかがなものか、との意見が尾西貞夫第二副会長から出た。
 公益法人の理事は原則として無報酬と定められているため、理事会から「委嘱」されるという形をとる専門委員会の委員が報酬を得ているのは、今後公益法人として組織を維持する上で法律上問題にならないか、という指摘だ。
 これに対し山下忠男第三副会長は、「各委員会には意思決定の権限がなく、何ら問題になったことはない」と回答。
 そもそも各専門委員会にはその分野の専門家がいなければ運営が難しいという現状があり、菊地会長は、「委員には会議にも出てもらい、各施設の方向付けをしてもらうべき」と述べた。
 また佐々木憲輔第五常任理事は、委嘱するのが「援協職員」としてか、あるいは「自然人の専門家」としてなのかを明確にすべきだと述べ、今後の事務局の検討課題とされた。
 また、震災義捐金の送金時期に関する発表がなされた。援協に集まっている義捐金は28日時点で32万レに達しており、30日にいったん締め切り、今月2日に日本赤十字社へ送金する手続きが進められているという。
 各委員会、事業所の月間報告も行われた。「日伯友好病院」では、3月の診察数は4万9000人近くであり、今年に入って毎月増えており5月には5万人に達するのではないかとの見通しを発表した。
 利用者の多い同病院では、設備投資、人材育成、医療機器の購入などに力を入れ、移民の高齢者に対する支援体制を一層整えていくとの方向性が示された。
 新役員は以下の通り(任期は2012年12月末まで)
【会長】菊池義治、【副会長】毛利連(第1)、尾西貞夫(第2)、山下忠男(第3)、坂和三郎(第4)、与儀昭雄(第5)、紫牟田寛(書記)【常任理事】税田清七(第1)、永山八郎(第2)、岩原勝一(第3)、遠藤浩(第4)、佐々木憲輔(第5)、辻雄三(第6)、安武誠(第7)、洲崎順(第8)【会計理事】佐々木弘一(第1)、井上健治(第2)、大竹芳伸エドアルド(第3)。

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