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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年6月2日付け

 戦後の日本政府直轄移住地のいくつかが今年、来年と半世紀の節目を迎える。「直轄移住地としては日系最大規模の面積」(パラグアイ日本人移住70年誌)といわれたイグアスー移住地のその一つ。今年8月22日に式典が行なわれる▼ブラジルが100周年を祝った08年、同移住地ではすでに50周年を見据えた事業を完成させた。移民らの手による伝統工芸を展示する「匠」センターだ。大豆生産、太鼓製造の地としても知られ、日系の旅館、ホテルなどもある〃観光移住地〃の先駆けだ。グローバル旅行社(11・3572・8990)が20〜23日の日程でツアーを実施する▼来年50周年を迎えるグァタパラ移住地は、来月2、3日の「第49回入植祭」に力を入れる。山形、茨城、長野、岡山、島根、山口、佐賀7県の関係者に来耕を呼びかけ、来年の盛り上がりに繋げたい考えだ。県連(11・3277・8569/伊東)では、出身県に限らず、参加者を募る。公共の交通手段では行くにくい場所だけにいい機会になりそうだ▼一方、リオのフンシャル移住地は、今年7月に予定していた記念祭を中止した。公式な理由は、東日本大震災を受けての自粛—ということだが関係者に聞くと、「わずか24家族で高齢者も多いですからね…」と声を落とす。ただ賃貸された南部イタグアイの野球場の使い勝手が悪いことから、同移住地内に野球場を造成する計画が進む。白球を追う歓声が響く日も近い▼50歳といえば、円熟の時期にあたる。ただしそれは老境に向かう人間の話。節目であり、新たな出発点を迎える移住地を訪れ、共に祝いたいものだ。(剛)

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