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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年6月15日付け

 今週土曜の18日は日本移民の日だが、2日はイタリア系コミュニティの日だった。全伯の伊国籍者は33万9866人もおり、うちサンパウロ州には14万3606人が在住する。驚くべきは伊系子孫の人口が3千万人と発表されていることだ。なんと全人口の16%に当たる▼代表団体のO Circolo Italiano San Paoloはサンパウロ市レプブリカ区の名所イタリア・ビル内にあり、創立は1911年で今年百周年だ。有名なイタリア系学校ダンテ・アリギエリも今年百周年を迎えた▼移住が開始されたのは1870年中頃といわれ、1881年にサンパウロ市セントロに創業したRistorante Carlinoが現存する最古のイタリア食レストランという。1893年創立のジョルナル・ファンフーラは現在も続く、当国最古のエスニック新聞の一つだ。もちろんイタリア語中心だ▼イタリア移民を扱ったTVドラマは少なくとも「Os Imigrantes」(1981、バンデイランテス)「A Proxima Vitima」(95、グローボ)「O Rei do Gado」(96、グローボ局)「Terra Nostra」(99、グローボ局)「Esperanca」(02、グローボ)「Poder Paralelo」(09、レージ・レコルジ)「Passione」(10、グローボ)と7本もある▼特に昨年のドラマでは主だった俳優の半分を伊系子孫で揃えたことでも話題になった。もちろん日本移民のドラマは一本もない。イタリア移民がいかにこの社会に深い影響を与えているかの証左だ。ちなみに今年10月から来年6月までは「ブラジルにおけるイタリア年」として390の行事が企画されている。日本移民140周年はどうなっているだろうか?(深)

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