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慰霊ミサで震災克服願う=サンゴンサーロ教会でも

ニッケイ新聞 2011年6月22日付け

 今年もサンパウロ市ジョン・メンデス広場のサンゴンサーロ教会で18日朝9時から、日本移民103周年を記念した慰霊ミサが、フレイ・アレシオ・ブロイング神父を司式者とする5人の司祭によって厳かに執り行われ、日系団体代表をはじめ約120人が出席した。
 祭壇右側には日伯両国旗が掲げられ、「日本における地震と津波によって亡くなられた方々の永遠の安息と、ご遺族の方々のためにお祈りします。被災者と日本国民が一つになって困難を乗り越える力を神に願い、勇気と希望をもって克服への道を前進することができますように」との共同祈願が、総領事館や日系各団体代表により捧げられた。 
 アレシオ神父は「思いを一つにしなさい。平和を愛しなさい」と語りかけ、花、パン、ワインなどが祭壇に奉献され、聖体拝領が行われた。最期に日本語で「世界のみんな兄弟さ、話す言葉は違っても」という聖歌が合唱され、ミサは閉幕した。
 同教会を中心に活動する伝統ある聖母婦人会の畑中アリッセ会長(73、三世)は、「一世の方が減り、二、三世の参加者の割合が増えている。ブラジル人で、野菜や果物が増えたのは日本人のおかげだと祈りを捧げてくれる人もいる」と最近の様子をのべた。
 参加者の一人、土橋敏恵(つちはし・としえ)さん(87、山口県)は「6歳でブラジルに来て、81年が経った。日本には30回行ったし、世界中を旅行して回ったけど、ここが一番だと思っている。日本移民にとってここが一番住みよい場所、それを感謝しに毎年ミサに参加している」としみじみ語った。

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