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東日本大震災=1周年ミサ、誰がどこでやるの?=県連独自の主催決めるも…=中沢会長が会合スッポカシ=文協「5団体の共催で」

ニッケイ新聞 2012年1月11日付け

 東日本大震災から、あと2カ月でちょうど1年を迎える。コロニアが中心となり、約6億円(本紙調べ)の義捐金を送ったことは記憶に新しい。予定される1周年ミサでは、追悼はもちろんだが、記憶を風化させず、これからも続く〃祖国〃の復興支援を広く呼びかける重要なタイミングともいえる。しかし—内外の関心を呼ぶような支援イベントはおろか、追悼ミサの主催団体もはっきりしておらず、新年早々、コロニアの足並みは揃っていないのが現状だ。

 追悼式典のため、5千レアルの予算を組んだ県連。開催場所は宮城県人会館に決まっている。しかしどうも話が妙なのだ。
 昨年11月の県連代表者会議。宮城、福島、岩手各会長の同意の上で、県連主催による法要を行なうことを承認。中沢宏一会長(宮城)は「昨年同様、ぜひ会館を使ってほしい」とその場で申し出たという。
 翌月の代表者会議で、全体の総括は園田昭憲会長、実行委員は木原好規(和歌山)、山田康夫(滋賀)の両会長に加え、東北3県と千葉、茨城、青森の計8県の会長が就任した。
 ところが、先月あった第1回会合に中沢会長が出席しなかったことから、委員らの困惑が始まった。
 山田会長は「事務局から電話で連絡があったはず。千葉、青森の各会長は所用で欠席するとの連絡があったが、中沢会長からはなかった」と首をひねる。
 不在ながらも、実行委員長として中沢会長の名前が挙がったようだが、開催場所が宮城なのだから、具体的なことは何も決まらず、次回に持ち越された。
 中沢会長にぶつけると「そういう会合があったことも知らない。8人の実行委員が呼ばれたことはまだないのでは。連絡の行き違いで私が行かなかっただけかもしれないが」と部外者然とした口調で、気にもしていない調子。
 こうしたことから園田会長は「文協から声がかかれば、宮城県人会ではなく大講堂でやるんだけど…」とため息を漏らす。
 さて、自称〃日系社会の代表機関〃である肝心の文協はどうなのか。たっぷりと2カ月の休暇を楽しみ、こうした決定をすべきだった評議員会(12月10日)の2日後に帰国した木多喜八郎会長は、忘年会、新年会に忙殺されたのか「年末年始は忙しかったのでそろそろ」と準備の気持ちはあることを示した。
 「県連は県人会の主催でやると言っているようだが、5団体が共催でやるべきだと思う」と珍しく自分の意見を述べつつも、どういう形で—との質問には「みんなで検討する」といつもの調子に落ち着いた。
 何とも頼りないが、御三家の一角を成す援協の菊地義治会長は「5団体合同でミサや義捐金活動など支援活動に取り組んできた。当然今年も一緒」との考えを示した上で、「文協主催でやるのか、被災県人会主催でやるのか…よく分からない」と全く状況を知らないようで、かつて会長を務めた岩手県人会とも連絡はない様子だ。
 1周年ミサの準備が本格化するのはいつになることか。

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