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橋本元首相使用の剣道用具=移民史料館に寄贈

10月23日(土)

 橋本元首相の剣道用具一式が日本移民史料館へ――。去る五月四日、橋本龍太郎元首相から南米剣道連盟(玉置正会長)とブラジル剣道連盟(山田法夫会長)へ贈られた剣道防具と稽古着一式が、日本移民史料館へ寄贈されることになり、二十日午後五時から文協九階で寄贈式が行なわれた。
 寄贈式には剣道連盟側から玉置会長、山田会長、児島修徳サンパウロ剣道連盟会長、玉置会長の補佐を務める石井久順氏が、文協側から上原幸啓会長、吉岡黎明副会長、松尾治福岡県人会会長が出席した。
 寄贈された剣道用具は、五段の腕前を誇る橋本元首相自身が十年以上使っていたもの。一九九六年に来伯した際にも着用し、ブラジルの剣士と手合わせしている。
 今年四月にブラジルへ届けられて以来連盟で保管していた。当時から「史料館へ寄贈を」との声があったが、七月に行なわれた連盟の理事会で正式に寄贈が決定した。
 剣道は、武士たちが実戦に使っていた剣術が基本となっており、日本の文化・習慣のベースになっているもの。「(防具を)連盟だけに置いておくのはもったいない。皆に見てもらいたい」と玉置会長は話した。
 防具はいずれもミシン縫いでなく手縫い。胴は竹を使った竹胴で、プラスチック製よりも叩かれた時の衝撃が少ないという。中でも竹刀は煤竹という竹で作られた貴重な一品。今後は、戦後五十年の史料が並ぶ九階に展示され、ブラジル社会に武士道精神を伝える役割を担う。

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