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商議所昼食会=輸送インフラ局=フレイタス氏が講演=総会も開催、収支報告も

ニッケイ新聞 2012年3月22日付け

 ブラジル日本商工会議所(近藤正樹会頭)の3月定例昼食会と『第62回定期総会』が16日正午から、サンパウロ市のインターコンチネンタルホテルで開かれた。
 総会で報告された11年度収支は収入190万1163レ、支出は189万956レ。12年度予算は収入196万7467レで、事業報告と計画案発表とともに承認された。
 その後の昼食会では輸送インフラ局(DNIT)エグゼクティブ・ディレクターのタルシーゾ・フレイタス氏が「ブラジルの輸送インフラ」と題して講演した。
 冒頭、政府のインフラへの投資が70年代以降減少していることを説明、「GDP(国内総生産)に対して物流システム全般のコストが約13%と高い」とのべた。
 米国では160万キロの道路が舗装されているのに比べ、「ブラジルでは連邦政府の道路は6万キロで整備も十分ではない」という。
 大豆輸出の主な拠点であるパラナグア港に向かう道路がトラック量の多さで渋滞していることを例に挙げ、「道路のインフラ整備に投資されなかったことがツケとなって価格競争力を失っている」と指摘した。
 また、2025年までに鉄道、空路、水上輸送の比率も上げ、現在最も高い割合を占めている道路輸送の状況が改善されるとの見込みも示した。
 さらに、「4万キロの河川があるが、現在3分の1しか使用されていない」とした上で、「民間企業とのパートナーシップが必要。もっと利用して効率化を図りたい」と強調した。
 フレイタス氏によれば、中西部の大豆輸出に重要なパラー州サンタレン港とクイアバを結ぶ道路を整備する計画があるほか、アクレ州、南大河州など全伯で新たな道路が建設されるという。
 輸送物流計画を「25年〜30年かけて実施する国家計画」と説明し、「まずは現在あるインフラの修復や維持・管理を年末までに進める。問題を把握し、サービスのレベルを上げて運賃も低くしたい」などと展望を話した。

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