ホーム | 日系社会ニュース | セアザの業者が抗議運動=駐車料金の徴収に不満=28日午前0時から決行=サンパウロ市民の食卓に影響か?

セアザの業者が抗議運動=駐車料金の徴収に不満=28日午前0時から決行=サンパウロ市民の食卓に影響か?

ニッケイ新聞 2012年3月27日付け

 サンパウロ州食糧配給センター(CEAGESP、以下セアザ)に出入りする業者が、経営幹部が決定したトラック駐車料金の徴収を不服として28日午前0時、セアザのポルトン3(第三出入口)に入る生産業者のトラックを止めるデモを起こすことが分かった。これにより、業者の8割が利用するポルトン3が面するドトール・ガストン・ヴィジタウ大通り(Av. Dr. Gastao Vidigal)に、セアザに入れない業者のトラックが停滞し、交通が止まるだけでなく同日朝に品物が並ばないことが予想される。

 SINCAESP(セアザに拠点を置く事業主で構成される業者組合)の井上久弘理事によれば、出入り口を改修して近代化し、構内に200ほどの防犯カメラを設置することに必要な経費を捻出するために、これまで無料だったセアザに出入りするトラックの駐車を有料化するとの経営幹部の決定に業者が反発したもの。
 出入り口の改修については半年以内に行われることが決まり、建設業者の落札も終了しているという。防犯カメラは、セアザ内に麻薬の密売人や売春の斡旋業者の出入りが横行しているため、管理を厳しくするための処置だという。
 「この2件に必要な経費は莫大なもの」(井上理事)で、トラックを1日駐車すれば、6、70レアルの料金が課されることになる。
 1カ月前から、販売・仕入れ業者らが「(セアザ内は)穴だらけで外灯も暗く、雨漏りもひどい状況でなぜそんなことに金を使うのか」と経営幹部に対し、中止申し入れをしてきた経緯がある。
 井上氏によれば「商品の搬入時間に必要な3、4時間ほどを無料にし、それを超えた場合に駐車料金を徴収するという措置にしてほしいという申し入れもした」ようだが、それに対する返事もないという。
 現在セアザに出入りする業者は約4割が日系。井上氏の見込みではデモには約500人ほどが参加するとみており「アベニーダの交通が止まったら大混乱になり、多くのマスコミが報道する。そうなると経営陣も考えざるを得なくなり、業者と話し合いの場を持つのではないかと思う」と話している。
 サンパウロ市の台所であるセアザ。今回のデモが実施されれば、市民の食卓に混乱が起きるのは避けられそうにない。

image_print