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ニッケイ新聞 2012年6月5日付け

 完成間近の大屋根の建設に沸く日教寺だが、一方で心配の声も。佐藤雅江事務局長は「銅板部分を盗まれるのが一番怖い。一枚一枚にセンサーをつけなきゃだめかしら」と盗難の危険性にはらはら。日本で細工を施してきた箇所も多数あり、盗まれてしまうとブラジルではどうすることも出来ず、再発注しなければならないという。罰当たりな輩が出ないことを祈るばかり。
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 イタイプーダムの建設に使われた鉄骨の量は、パリのエッフェル塔の380倍に相当し、1257万のコンクリートを流し込んで完成させた。これは英仏をつなぐユーロトンネルで使ったそれの15倍に匹敵する。ウィキペディア「Lista de arranha-ceus do Brasil」によれば、高さ150メートル以上のビルは全伯で13棟しかなく、最高はサンパウロ市セントロのミランチ・ド・ヴァーレ(170メートル)、2位がイタリアビル(165メートル)だ。ちなみにパウリスタ大通りのが2700メートルだから、その3倍の距離に渡って当地最高層のビルが立ち並んでいるに等しい。そんなに大きいにも関わらず、実物を見てもそんな気がしないのが実に不思議。
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 先週、米国サンフランシスコに旅行に行った。日本人移民が多い地と聞いていたため、日系社会との出会いに期待しながら「ジャパン・タウン」を訪れた。ところが日本食店や百円ショップ「ダイソー」、小物店が入った小さな施設があるだけで、同市で賑わうチャイナ・タウンのように、移民が築いた独特の街の雰囲気は跡形もなかった。ちょっぴり物悲しくなった北米来訪だった。

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