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「日本一短い手紙」=新一筆啓上賞に新井さん入賞=作品は単行本に収録

ニッケイ新聞 2012年6月14日付け

 「日本一短い手紙」シリーズ本で有名な福井県丸岡町主催の『第9回新一筆啓上賞』に、新井知里さん(74、長野)=サンパウロ市在住=の作品が入賞した。
 同町では手紙文化の復権を目指し1993年から、友、家族、涙、笑など様々なテーマで手紙コンテストを実施しており、入賞作品を集めた単行本はベストセラーとなる人気を誇る。
 第9回のテーマは「明日」。新井さんは「夫」を副題に作品を制作し、日本国内外から応募のあった約3万5千点の中から、大賞に次ぐ秀作10篇に選ばれた。作品は「日本一短い手紙『明日』」(中央経済社、900円)に収録されている。作品は次の通り。
 『明日は横浜港から五十年前、あなたのいる外国へ渡った日です。あの情熱まだあります』
 新井さんは「5年前に一度佳作をもらったから、今度はもっと上を目指して応募してみた。忙しくて、下書きもせずサラッと書いたもの」と語る。
 小説、随筆、俳句などジャンルを問わず文芸活動に励んでおり、夫・均さんとの共著「国二つ背負いて」ではにっけい文芸賞を受賞、NHK全国俳句大会や皇居・宮殿で行われる「歌会始の儀」でも入賞し日本に招聘された。
 ブラジル在住のため、賞金5万円は長野県に住む弟の所へ送付。「弟は『父の供養に使わせてもらう。おめでとう』ととても喜んでくれた」と喜びを語った。

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