ニッケイ新聞 2012年6月23日付け
サンパウロ市議会は15日、日系社会に尽くした功績を称え、野村アウレリオ市議の推薦により在聖総領事館の大部一秋総領事に『パウリスタ名誉市民章』を授与した。
会場には安部順二連邦下議、大田慶子下議、木多喜八郎・文協会長、園田昭憲・県連会長など多くの日系団体代表者を始め約150人が集った。
2009年1月12日に着任、今月末で任期を終える。着任当初、アラサツーバ市でノロエステ連合日伯文化協会の50周年記念式典に出席し、「移民の精神が息づいていることに感動を覚えた」という。以来、3年半で移住地やゆかりのある市など100カ所以上を巡った。
大部総領事は壇上に立ち「こんな章を頂けるのは身に余る光栄。この機会に100年以上もの歴史を持つ移民や、ブラジル社会に貢献する日系人に敬意を表したい」と述べ、移住地の思い出などを紹介した。また、最後に「家内の力がなければ仕事を達成出来なかった」と栄子夫人に対しても感謝を述べた。
野村市議は日本がインフラやメトロの整備などに多額の投資に触れ、「大部総領事を通して、日本の貴重な経験や技術がもたらされたことに感謝する。表彰を考えた時、真っ先に名前が浮かんだ」と話した。
木多会長は「栄子さんと共に、日系社会に言葉と行動を通して愛情と配慮を示され、理解と支援を常に頂いた」と謝意を示し、ブラジル日本商工会議所の近藤正樹会頭も「会議所の名誉顧問として、社会保障協定の締結などに一方ならぬ支援を頂いた」と話した。
大部総領事は本紙の取材に対し「感謝以外何もない。わが心のサンパウロを一生忘れない」と思い出を噛み締めるように語り、栄子夫人は「今日は私の誕生日。最高のプレゼントになった」と満面の笑顔で喜んだ。