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第6回文協総合美術展=金賞は松井、赤崎2氏に=展示会は14日まで

ニッケイ新聞 2012年10月12日付け

 ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)主催の『第6回総合美術展』の受賞者表彰式が6日、文協ビル大講堂で行われ、約500人が訪れた。来賓には在聖日本国総領事館の中山雄亮副領事、国際交流基金サンパウロ日本文化センターの深野昭所長、ブラジルいけばな協会のエリソン・トンプソン・デ・リマ会長らが出席した。
 今回で6回目を迎えた総合美術展は、文協の主催で別々に行われていた『現代美術展』『工芸展』『具象展』の3つの展覧会を2007年に統合して創設された。今回は3部門計137人、346点の応募があった。壇上には入賞者31人が上り、賞状やプレートが授与されたほか、功労者表彰として、長年に渡って工芸委員会の委員長を務めた川上久子さんらに感謝状が送られた。
 工芸部門で金賞に輝いたのは、『文協工芸展』時代から20年以上に渡って出品を続けてきた松井淳子さん(71、広島)。着物を着付ける娘と、それを手伝う母の姿を模した桐塑人形で初めての栄冠を手にした。1960年に来伯して以来、作成歴は50年以上になる。
 「まさか選ばれるなんて。夢のようです」と喜びを語りながらも、「あくまで趣味なので、これからも楽しく続けられれば良い」と無欲の笑顔で話した。
 現代美術部門では赤崎マルコスさん(50、三世)が金賞を受賞。「外部に現れる感情と内面の心理的な世界を、大木とその根が伸びる土の中という形で表現した」という作品「Raizes do inconsciente」を出品した。
 受賞の感想を尋ねると「非常に光栄。これからの美術活動の励みになる」と感慨深げに話した。
 展示会場となった大サロン、貴賓室、13・14・15号室には入賞・入選作に審査委員が作成した特別作品を加えた250点以上の作品が掲げられ、好評を博していた。
 まじまじと絵画作品を見つめていた江沢敬子さん(92、大阪)は「絵の詳しいことはわからないけれど、見ていて気持ちが良くなる作品ばかり」とため息をつきながら話した。
 展示会は今月14日まで行なわれ、開館時間は平日・正午〜午後5時、土日・午前10時〜午後5時(14日のみ午後3時まで)。

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