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マウアー=ペデレイラ文協60周年=「活気あふれる平和な会」=青年会50周年も兼ねて=記念演芸会も盛り上がり

ニッケイ新聞 2012年11月15日付け

 「皆が家族みたいな感じ」—。サンパウロ市近郊マウアー市のペデレイラ日伯文化協会(永山喜代司会長、約75家族)と同日本語学校が今年で創立60周年を迎え、記念式典と祝賀会が11日、同会館で開かれた。青年会(村上広敏会長)発足50周年も兼ねており、来賓には地元マウアー、ABC地区など近隣の日系団体代表などを迎え、会員ら約300人が賑やかな一日を過ごした。

 「会員数が少ないけど、そのぶん結束は固い。若者が多いので活気もあるんです」と永山会長(60、二世)が説明するとおり、会場のそこここに世代を超えて会話し笑いあう会員の姿があり、終始和やかな雰囲気があふれていた。
 10期目を務める永山会長は式典で、「一口に60年というが、会の運営は山あり谷ありのいばらの道だった。先輩が築いてくれた基盤をもとに継続的で堅実な運営をし、皆にとって居心地の良い環境を整えたい」と日ポ両語で挨拶し、決意を新たにした。
 文協は1952年11月、父兄会として32人の有志により発足した。日本語学校にはこれまで8人の教師が勤め、最初は木造の建物で49人の生徒からスタートした。
 04年には体育館も落成し、フットサルやバレーボール、卓球などのスポーツや、裁縫や編み物、料理などを会員同士で教えあう集まりなどが開かれている。その他父兄同士の交流会、年に一度の運動会、二年に一度の演芸会を行っており、会員らの親睦の場となっている。
 「皆が喜んで参加する」と永山会長が喜ぶ青年会では、最盛期は100人ほどが活動していたといい、現在は約40人が所属する。学校卒業後も生徒が青年会のメンバーとなるために、活動が活発なのだという。
 式典では元会長で1977年に落成した会館建設の功労者として、いずれも故人である3人が表彰された。深沢精一さん(静岡)、津波亀雄さん(沖縄)、永山光さん(福島)の家族が、それぞれ感謝状、記念プレートなどを受け取った。
 深沢さんの長女で、同地に長年住む木本和子さん(78、静岡)は、「50周年やったときに10年先なんて生きてるかなと思ったけど、意外と皆残ってますね」と笑う。「結束が固いし、ここは青年がよく動くと評判です」と嬉しそうだ。
 隣に座っていた夫の清雪さん(83、広島)も、「60年って言ったら長いよね。解散するかもしれない時期もあったけど、やっぱり何とか日本人同士で結束しようって言ってここまできた。私らも毎ドミンゴ来て会館建てたんですよ」としみじみ振り返った。
 式典後に行われた記念祝賀会では家長、婦人、男女の青年、日本語学校生徒らによる踊りやミュージカル、遊戯、カラオケなど25の演目が披露された。
 特に青年らはめまぐるしく何度も衣装を変え、舞台に立った。代々受け継がれている踊り「白虎隊」から日本の現代の踊りや歌まで多数の演目を披露し、会場を大いに沸かせた。最後は「炭坑節」にあわせて盆踊り。来場者も参加し、会場内に踊りの輪ができた。

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