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真相究明委員会が調査に=戦中戦後の日本移民迫害=州議ら『闇の一日』鑑賞=「究明すべき歴史だ」

ニッケイ新聞 2013年1月12日付け

 ジウマ大統領の肝いりで2012年に設立された、軍事独裁政権時代の人権侵害を調査する真相究明委員会の聖州小委員会(アドリアノ・ジョオゴ委員長=聖州議・PT)による旧年最後の会合が12月18日午前、聖州議会内で持たれ、脇山甚作退役陸軍大佐殺害事件を描いた実録映画『闇の一日』(奥原マリオ純監督)を鑑賞した。同委員会ではさっそく公式案件として扱うことを決め、調査に向けて動き出す模様だ。

 映画『闇の一日』完成版は昨年11月21日に沖縄県人会で初上演されて以来、インターネット上(http://www.youtube.com/watch?v=QDf_egB3MG4)で無料公開されている。11日現在でアクセス数は約3千を数え、激励する多くのコメントが書き込まれている。
 ジョオゴ委員長は「長い間閉じられていた扉が、この委員会によってようやく開けられた。本当の話をブラジル国民から聴く時が来た」とあいさつし、開会宣言した。
 奥原さんは「ヴァルガス時代、大戦中や終戦直後の社会政治警察(DOPS)からの迫害があまりに酷くて、今だに当時の経験を口にすることを怖がっている人がいる。この映画を撮影する中で、その迫害が勝ち負け抗争発生の原因の一つになったことが明らかになった」と語り、同警察の拷問で受けた傷が原因でサンジョゼ・ドス・カンポスで亡くなったと言われる池田フクオさん、ペナポリスの島野ナミジさんらの実例を挙げた。
 聖州小委員会には5人の州議が参加し、当日は州議本人および補佐官ら約10人が鑑賞した。途中、涙を流す人もいた。
 見終わったあと、議員らからは「日本人迫害があったなど、まったく知らなかった」「一般には全然知られていない、究明すべき歴史だ」という感想が口々に聞かれた。
 ジョオゴ委員長は「年明けにさっそく会合を開き、これに関する証言を集めて公式記録として残そう」と提案した。同委員会は伯国近代史の闇に眠る人権侵害の真相究明をし、2014年までに終了する予定。
 DOPSによる日本移民迫害の実態に関心を持った委員らは「新年早々にも証言を集め始めるべき」と語るなど、同映画をきっかけに歴史発掘への新たなレベルでの取り組みが始まりそうだ。
 奥原さんは「戦中戦後に警察から拷問を受けたとか、酷い取調べを受けたとかの経験を持つ人、その親族や関係者は、ぜひ連絡をください」(携帯電話=11・95318・8682まで)と広く呼びかけている。

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