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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年3月8日

 水曜シネマで上映された『442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍』(10年、監督=すずきじゅんいち)を見て考えさせられた。覇権国・米国へ移住した移民とその子孫は、存在を認められるために命を張ったことで、結果的に世界史的な偉業を成し遂げた、と▼第2次大戦中、ドイツ軍に囲まれ、誰にも不可能といわれた米「テキサス大隊」の救出を命ぜられた442部隊は、同大隊より遥かに多い死傷者を出しながら作戦を成功させ、後に陸軍十大戦闘に数えられるようになった▼同映画にもあるが、救出直後に起きた逸話がウィキペディアに出ていた。《…少将が(442)戦闘団を閲兵した際、K中隊に18名、I中隊には8名しかいないのを見とがめ、少将が「部隊全員を整列させろといったはずだ」と不機嫌に言ったのに対し、連隊長代理ミラー中佐が「目の前に並ぶ兵が全員です。残りは戦死か入院です」と答えたという話が残っている。その報告を聞いたその少将はショックの余りスピーチさえできなかった》。米国の人種差別とも勇敢に戦った日系兵士らの姿に感動を禁じえない▼上映会場には150人ほどいたが、泣いている姿があちこちで見られた。最後まで泣きっぱなしだった戸塚マリさん(81、北京生まれ)は、「戦争中を過ごした北京を思い出して涙が止まらなかった。あの時代の二世は、当時の父母の心を受け継いでいるからあれだけのことができた。今の二、三世とは違う」としみじみ語っていた▼ぜひポ語字幕をつけて上映し、今の世代に見てもらったら良いのでは。事実、日系人の世界史的偉業を描いた実録映画など、そうそうあるものではない。(深)

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