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ロンドン五輪メダリスト=女子柔道 上野順恵さんが講演会=業務研修で9月まで聖市に=「ブラジルで進退決めたい」

 2012年のロンドン五輪で銅メダルを手にした日本女子柔道の代表選手、上野順恵さん(29、北海道)が2月末から、勤務する三井住友海上の聖市拠点「ミツイ・スミトモ・セグーロス」で業務研修中だ。語学研修を積みながら、様々な道場で現地の選手と交流、9月末まで滞在する。ブラジル日本商工会議所の異業種交流委員会が11日に日本語センターで開いた講演会『ロンドンオリンピック、そしてブラジル』には約50人が訪れ、耳を傾けた。30歳という壁を前に現役を続けるか否かの決断を迫られる中、「ブラジル柔道に、これからの柔道生活のヒントを見つけたい」と思いの丈を語った。


 「優勝しか目指してなかったので(敗退したとき)死にたいと思った。でも、姉の喝で死ぬ気でメダルを取りに行くと決めた」。ロンドン五輪の敗者復活戦で見事勝ち上がり、メダルを手にした心境を語った。
 姉の雅恵さんはアテネ、北京五輪の金メダリスト。「メダル取るのと取らないのでは大違い」と背中を押された。妹の巴恵さんは、現在リオ五輪出場を目指して訓練に励む。
 柔道三姉妹。「姉より体が小さくて、両親は柔道させるか迷ったらしいけど、いつの間にかやっていた」。旭川市で道場を営む父法美さんは優しいが柔道では厳しく「練習ではいつも泣いていた」と振り返る。
 学校ではいじめにもあったが、5年生の時に道内大会で優勝、中学では世界選手育成を目指す強化ジュニアチーム入りを果たし、メキメキ力をつけた。2002年、姉の勤める三井住友海上に入社。東京都世田谷区の道場での厳しい練習に明け暮れた。
 だが、ロンドン五輪以後、試合には出場していない。「段々体力が回復しなくなってきた。進退を決めたい」と胸の内を語る。その決断の地にブラジルを選んだのは、試合で2回訪れたリオでの経験からだ。「先生と選手、選手同士の関係がすごくいいし、今まで行った国の中でブラジル人と一番気が合ったから」
 日常会話や柔道用語マスターを目標に、午前中は語学学習に励み、当地代表選手の合同強化合宿にも参加、夕方は様々な道場に足を運ぶ毎日だという。
 終始朗らかな笑顔を浮かべながら自身の歩みを語り、「メダルを取るには、何かを犠牲にして日常生活を送らないといけない。私の場合は酒だった」などと会場をわかせた。
 講演後の夕食会では、親しみやすい人柄からか上野さんを囲み人の輪ができた。参加者らは写真撮影を頼んだり、引き締まった腕に触れたりと、メダリストとのひと時を大いに楽しんだ。

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