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被災者の声をブラジルに=3人が来伯、現状伝える=講演会、写真展を7月に=県連、被災3県が企画

ニッケイ新聞 2013年5月25日

 ブラジル日本都道府県人会連合会(園田昭憲会長)が7月の日本祭り開催にあわせ、宮城、岩手、福島の3県から3人の被災者をまねき、『東北被災者招聘交流事業』を行う。22日の県連代表者会議で、実施主体となる国際交流委員会(本橋幹久委員長)から事業の詳細が発表された。来伯するのは大和田加代子(52、岩手)、松本康裕(28、宮城)、天野和彦(54、福島)の3氏。同月14日〜25日まで滞在し、サンパウロ市とイグアス移住地で講演会や交流会を行うほか、日本祭りで写真展とDVD上映会を開き、当地に被災地の現状を伝える。

 「私たちのことを忘れないで。それが一番の願いだった」。昨年県連が行った「東北応援ツアー」で被災者の声を聞いた本橋会長はそう語る。
 想像以上の風評被害、仮設住宅の高齢者、若者の就職難、地盤沈下した土地。厳しい復興状況を目の当たりにし、「ブラジルにもこの現状を知らせたい」と強く感じたという。
 ツアー中、早速3県に打診したところ、「ぜひ協力したい」との快諾を得た。被災地で復興に取り組む人を募り、このほどようやく3人の講演者がそろった。
 陸前高田市に住む大和田さんは、自宅、職場ともに津波で失うという苦難をのりこえ、支援団体「ちーむ麻の葉」を結成、手作り作品を通した復興支援を行う。
 松本さんは、名取市閖上の自宅で家族とともに津波に飲まれたが、幸いにも救助された。同地区に「松本不動産」仮設事務所をかまえ、生活再建、地域復興にむけて活動中だ。
 天野さんは、2500人を超える被災者を抱え、県内最大規模といわれた「ビッグパレットふくしま避難所」の県庁運営支援チーム責任者をつとめた。現在は、福島大学「うつくしまふくしま未来支援センター」の特任准教授として、被災者支援にかかわる調査研究を進めるほか、現場支援も行っている。
 本橋委員長は「支援活動にたずさわる人の中には、松本さんのような若者も多い」と話し、震災が若者を集結させ、助け合いの精神を再興させた側面にも着目、「この日本人の心の変化を日系人にも聞かせたい」とイベントへの熱い思いを覗かせた。
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 プログラムの詳細は次の通り。
 16日=イグアス移住地で講演・交流会、17日=イタイプー水力発電所とイグアスの滝見学、18日=リオ観光、19〜21日=日本祭りで写真展・DVD上映会・郷土食ブースで交流、22日=宮城県人会創立60周年記念式典参列、23日=同県人会で講演会(午後6時半〜)「東北大震災から2年余—伝えておきたいこと」、24日=サントス市訪問、25日=記者会見、懇談会。

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