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2階まで満席、観客満足=第52回パラナ民族芸能祭=「毎年の成長が分かる」

ニッケイ新聞 2013年7月30日

 パラナ州都クリチーバ市のグアイーラ劇場で今月開催され、10カ国からの移民コミュニティーが参加した「第52回パラナ民族芸能祭」で8日夜、クリチーバ日伯文化援護協会による公演が行われ、1800人の観客が駆けつけた。
 開幕30分前には一階席が満席、平日開催にもかかわらず2階席まで満員となり、最前列には非日系客が目立った。開幕は花柳龍千多さんも出演したおどり会の「さのさのさ」で幕を落とした。
 クリチーバ琉球国祭り太鼓、若葉太鼓が活気のある演奏を見せたほか、南パラナ民謡保存会や生長の家コーラスも参加。民舞愛好会は元気に「おけさ恋歌」を披露した。
 第二部では琉球国祭り太鼓がカラオケ部と共演し、舞踊青年会の「人生浮世囃子(ばやし)」ではひょっとこの演技に会場から大きな歓声が沸いた。注目を引いたのは、淡く柔らかな色合いに光沢の入った美しい着物で出演した「千姫」で、女性の強さが振付の中で見事に表現された。
 若葉YOSAKOIソーランの「降臨」では、衣装が早変わりする手の込んだ着物が用意され、評判を呼んだ。その着物は非日系ラファエル・カマルゴさんのデザインで、衣装や振付も担当した。
 二部の見どころは、女役の花柳龍千多さんと男役の丹下セツ子さんが共演した「津軽じょんがら流れ唄」で、息の合った踊りを披露した。存在感のある切れのよい、しなやかな舞が観客を魅了し、ショーの最後は「ブラジル音頭」で華やかに閉幕した。
 毎年来場している前林勝昌さん(北海道、75)は、「孫が参加している若葉太鼓を応援しに来た。毎年成長しているのがよく分かる」と喜んだ。初めて同協会の舞台を鑑賞したマレッサ・ジョルジさん(19)と2度目のパウロ・プラドさん(23)は「各発表の中で日本の歴史が表現されていてすばらしい舞台だった。来年も来たい」と満喫した様子で語った。
 花柳龍千多さんは今年も演技を振り返り、「やっぱりお客さんの笑顔が一番。毎年上達していると言ってもらえるのが嬉しいですね」と爽やかな汗を流した。(長村裕佳子クリチーバ通信員)

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