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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年8月27日

 26日付エスタード紙に、「労働者党(PT)政権は約束上手」との言葉で始まる論説が掲載された。10年7月までに完成と約束されたバイア州の鉄道は工事の跡すらないし、既存プロジェクトを新品の如くアピールするのも得意だと手厳しい▼既存計画の焼き直し例は「史跡のある町の保存計画(PAC das Cidades Historicas)」で、09年にルーラ前大統領が打ち出した173市に8億9千万レとの約束は、市長選直前にマルタ文化相が就任した時に10億レの約束に変わり、今年1月には13億レに。ジウマ大統領は20日にミナス州を訪問し、44市に16億レを投ずる「ブラジル史上最大の文化保存計画」を発表したとか▼同論説によれば、09年のルーラ氏はチラデンテスの像の前 、20日のジウマ氏はタンクレード元大統領の像の前という違いだけで演説内容はほぼ同じ。更に、政府機関担当者は年末に「言葉だけで実態のない政策だ」と語っていたという。これらの言葉は机上の論説ではなく、自分の目で物事を見、分析してきた人だけが書きうるものだ▼つい先日、「自分の目でものを見る」事の大切さを説く文を読んだ後でもあり、ブラジル国民は政府が発表する政策や事業計画を〃見る〃のではなく、〃見せられてしまっている〃とも実感▼コラム子は「ジウマに厳しい」と言われた事があるが、有言不実行という為政者にあるまじき態度に対する批判の鋭さではエ紙論説委員の足元にも及ばない。自分の目で見てきた積み重ねの奥深さや観察してきた時間の長さを示す切り口の鋭さは、オピニオンリーダーとしての責任を負ってきた歴史の長さの差かと思い、改めて襟を正された。(み)

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