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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年9月5日

 新しいタイプの日伯の懸け橋—と言ってもいいのではないか。本日付7面で紹介しているシンガーソングライター今村つばささんである。2009年から日本祭りに参加、コロニアのイベントなどでその歌声を耳にした読者の方もいるだろう。中平マリ子さんや井上祐見さんなど、毎年来伯する歌手はいるが、つばささんの場合、少々違う▼ポルトアレグレ、フォルタレーザ、ベロなどでブラジルのイベントに出演、「全伯ツアー」を実施中だ。つまり対象は非日系人であり、ファンの多くは日本好きのブラジル人なのである。今年から活動拠点をブラジルに置き、10月まで4カ月間滞在する。しかし、あくまで生活基盤は日本に置くという▼憧れのつばささんがブラジルに住み、フェイジョアーダを食べフォホーで踊ってもらえれば嬉しいだろう。しかし、ファンが求めているのは彼女を通して見る日本なのだ。毎日の様子や可愛いと思ったものを発信する。つばささんの感性を通したジャポンをYouTubeに登録した1万5千人のブラジル人が見ている▼音楽を通して、ファンはその国の文化に触れ、憧れてきた。大げさにいえば、世界はビートルズが歩くロンドンの町並みに恋し、プレスリーのキャデラックにしびれてきた。ネット時代の今、その影響力は桁違いだが、言葉の壁をミュージシャン自身が乗り越える例は少ない。ポルトガル語で今の日本を発信する歌手は、唯一といっていい▼今後、つばささんの故郷で、観光大使を務める石川県を訪れるファンもいるかも知れない。もっと発信力を持ち、日伯間を羽ばたく存在として大いに期待したい。(剛)

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