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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2014年3月26日

 6月のW杯グループ戦で日本代表が試合をする3都市はどれも、メキシコのNGOが昨年発表した「世界で最も危険な都市リスト」の上位を占めている。中でもナタウは人口10万人当りの殺人事件57・62人でなんと世界12位、クイアバは同43・95人で29位、レシフェは36・82人で39位だ。〃平和ボケ〃した観光客が狙われても何の不思議もない▼同リスト50位までの中で、国別ではブラジルが16都市を占め最多だ。2番目がメキシコで9市、要はラ米が圧倒的に多く、それ以外はたった8市(米国5市、南ア3市)しかない。つまり世界で最も治安が悪い都市は中南米に集中しており、ブラジルが一番多い▼ちなみに世界一危険な都市はホンジュラスのサンペドロ・スーラ市で10万人当り169人が殺されている。国単位で見ると米国は4・7人であり、前市より36倍も殺人事件が少ない。日本(0・35人)に至っては483倍も少ない。ちなみに開催地ナタウは日本より165倍も危ない▼ブラジルで最も危険な都市は世界5位のマセイオで79・76人、…さすがに開催地ではない。開催地で最も危険なのはフォルタレーザ(世界7位)の72・81人で、23日のTV番組「ファンタスチコ」によればフォルタレーザ市のあるセアラー州全体では5万8千人もの逃亡犯がおり、なんと、うち1万1千人が殺人容疑だ。いわば殺人犯が野放し状態だ▼W杯の12会場で50位以内にないのはサンパウロ市、リオ市、ポルト・アレグレ市のみ。とはいえ大概の町には日系人が住んでいるから、治安だけで住み心地は論じられない。でも重要な要素であることも間違いない。(深)

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