ホーム | 日系社会ニュース | 松島みどり経産副大臣=エネルギー問題協議に来伯=慰霊碑で般若心経、献花=「W杯を機に移民知って」
献花を行った松島副大臣
献花を行った松島副大臣

松島みどり経産副大臣=エネルギー問題協議に来伯=慰霊碑で般若心経、献花=「W杯を機に移民知って」

 松島みどり経済産業省副大臣(58、大阪)がブラジルとパラグアイ政府関係者との協議のため、1日に来伯し、3日にサンパウロ市イビラプエラ公園内にある開拓先没者慰霊碑を参拝した。その後、同公園内にある日本館を見学し、日系4団体の代表と会談を行った。会談後、副大臣は「W杯と五輪をきっかけに日本のメディアにも日本移民の歴史、日系人の功績を取り上げてほしい」と話した。

 松島副大臣は「子供時代の東京五輪開会式でブラジル代表が入場した際の大歓声を今でも覚えている」と話し、「今の日本政府はアフリカへ目を向けがち」と述べ、南米諸国とより強い関係構築の重要性を語った。
 松島氏は福嶌教輝在聖総領事ら関係者と共に、3日午前9時にイビラプエラ公園内の慰霊碑を訪れた。県連から本橋幹久会長と原島義弘副会長、援協から菊地義治会長が慰霊碑前で出迎えた。副大臣は慰霊碑に献花した。神戸と横浜の移民関連資料館にも前もって行ってきたという副大臣は、原島氏からの慰霊碑設置の経緯を熱心に聞いた。
 慰霊碑裏に設けられた仏間で線香をあげると、先没者の名が記された過去帳を読み、横に置かれていた般若心経を自ら読経し、冥福を祈った。本橋会長は「お経まで唱えてくれた人は初めて」と驚きながら喜んだ。
 記帳を終えると日本館を訪問し、同館を管理する文協の木多喜八郎会長らが案内を行った。庭には小泉純一郎元総理の記念植樹があり、その様子を観察すると「小泉さんに成長を伝えます」と話した。
 館内を見学し、園内の錦鯉へ餌やりを終えると、県連、援協、文協の3会長に日伯文化連盟の中野ロザナ副理事長を加え会談を行った。懇談では主に各団体の事業説明が行われた。
 菊地援協会長から医療機器の輸入制限緩和について問われると、「前日の日系企業代表者会合でも議題にあがった」と話し、「日本の審査を受ければブラジルの審査を受けないで済む様にしたい」と答え、日系社会の側面協力を頼んだ。今回はエネルギー問題を協議する目的のほか、海上油田開発の足場建設などの利権維持拡大がテーマの一つであることも明かした。
 松島氏は80年に東京大学経済学部を卒業。同年朝日新聞社に入社。経済部の記者として活躍した。96年に第41回衆議院議員総選挙に東京14区より出馬するも落選。
 00年の衆議院選挙で初当選を果たし、06年の安倍内閣で外務大臣政務官、07年の安倍改造内閣では国土交通副大臣を務めた。

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