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「W杯にカオスを」ブラック・ブロックとPCCが協力?

 「W杯でブラック・ブロック(BB)は、PCCの協力を得てカオス(混沌)をもたらすと確約した」との報道が1日付エスタード紙に出た。PCCはサンパウロ州最大の犯罪組織だ。ボスの多くは刑務所に収監中だが、外にいる手下に指令を出して麻薬密売、警察署襲撃までさせる。協力内容は明らかにされていない▼BBは知的レベルが高い反権力主義者が多いので、どこにPCCとの接点が―と不思議に思った。記事によれば、BBにはサンパウロ市東部の貧困層や中流階級の下の家庭出身者が多く、実はPCC関係者と幼馴染なのだとか▼警察から理不尽な暴力を受けた共通点があるとも。あるBB青年は、「家族が不法占拠していた所に、立ち退きの司法命令すら持たない警察官が来て、殴る蹴るの狼藉を働いて自分たちは追い出された」との経験を語り、「喜んで警察に火炎瓶を投げるよ」と言った。踊り子をする女性は警察から性的な暴力を受け、BBになったと告白する。反権力というより反警察だ▼「平和的なデモ行進など何の意味もない」「毎年5万人が犯罪の犠牲で死ぬのは、国家が治安維持を怠っているという暴力。SUS(国の医療サービス)の列に並びながら国民が死んでいくのも国家の暴力。我々のはそれに警鐘を鳴らすためのもの」と語っている▼対するジウマ大統領は5月末に35業種の企業代表の前で「今、焦点となっているのはブラジル国家のイメージだ。抗議行動に対して、必要であれば陸軍出動も辞さない」と確約した。活動家時代に軍隊に拷問された彼女が、大統領になってから軍を動員して民衆の抗議行動を力で押しつぶすなら、あまりに悲しい歴史の皮肉だ。(深)

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