ホーム | 日系社会ニュース | 特別大使 カズがあけぼのホームへ=「サッカーで元気届けたい」=JFA大仁会長も視察に=「日系人のブラジル貢献は誇り」

特別大使 カズがあけぼのホームへ=「サッカーで元気届けたい」=JFA大仁会長も視察に=「日系人のブラジル貢献は誇り」

 サッカーW杯の期間中、Jリーグ横浜FCの「カズ」こと三浦知良選手が、日本サッカー協会(JFA)の〃特別大使〃としてブラジルに滞在している。14日には日本―コートジボワール戦を観戦し、レシフェ日本文化協会(伊与田明会長)との交流や古巣サントスも訪問した。17日午後にはJFAの大仁邦彌会長と共に、サンパウロ州グアルーリョス市にある援協傘下の特別養護老人施設「あけぼのホーム」を訪れ、関係者から温かい歓迎を受けた。

 入居者26人による「ふるさと」合唱で両氏は迎えられた。大仁会長は「日系人のブラジル貢献は、我々サッカー日本代表チームにとっても誇りです」、カズは「32年前に初めてやってきたブラジル。それから8年間、この国でサッカーを学んだが、試合会場に足を運んでもらい、日系人が身近なところで支えてくれた。皆さんの頑張りが心の支えにもなった」と感謝した。
 JFAから記念品が贈られ、森徳子さんと駒村秀子さんが代表してペナント、タオルを受け取った。駒村さん(88、大阪)は「たくさんタオルを頂いたので、みんなで分けて大事に使います」と微笑んだ。
 大谷勝子さん(86、愛知)も「日本からのお客さんに会えると元気が出る。ようこそいらっしゃってくれました」と喜び、玄関まで見送りに駆けつけた。
 15歳で当地にサッカー修行に来たカズにとって、今W杯は特別なもの。「大使という形で関われたことは喜び。非常に感慨深いものがある」と振り返り、「レシフェでの日本戦を観戦し、国歌斉唱を聞き、ピッチに立っている選手を見たとき、今と昔を重ね合わせてジーンと感動する瞬間があった」と話した。
 日系社会について「この施設には初めて来たが、いろんな場所で日系人の協力があると改めて実感する。僕らはサッカーを通じて行動を起こすことが大事なんだな、と勉強させてもらったし、刺激を受けた」との感想をのべた。
 さらに「今はまだ現役だからプレーでみんなを元気付けたい。これからもサッカーを通じて色んなことを起こしていきたいと常に思っている」と抱負を語った。「滞在期間は5日と短いが、交流で忙しく過ごさせてもらった。19日にはギリシャ戦もあるが観戦できなくて残念」と心残りの様子。14日に来伯し、18日に帰国した。
 訪問を終えた大仁会長は、「施設関係者からも日本の勝利を祈っていただいた。最後はそうした思いが勝ちにつながるのでは」と喜び、「レシフェでも日本に対する声援が多く、それだけ日系人の貢献が評価されているのだと実感した」とのべた。19日ギリシャ戦に関して「ここまできたら勝利を目指してやるだけ。選手には結果を恐れず思い切りプレーしてほしい」と願った。

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