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20日、サンパウロで開かれた記念集会の様子(共同)
20日、サンパウロで開かれた記念集会の様子(共同)

ブラジル被爆者支え30年=平和協会、サンパウロ市で記念集会

 【サンパウロ共同】広島、長崎で被爆し、現在はブラジルで暮らす被爆者を支援するブラジル被爆者平和協会が、7月で設立30年を迎え、20日、サンパウロ市の事務所で記念の集会を開いた。
 協会は1984年7月、在ブラジル原爆被爆者協会として発足。日本在住の被爆者と同様の援護を受けられることを目指した。広島からの戦後移民で、設立を呼び掛けた森田隆会長(90)らは、日本政府などに対する請願や訴訟を重ね、援護の拡充を実現してきた。
 集会には被爆者や協会の活動に賛同するブラジル人ら約50人が参加。原爆の犠牲者に黙とうをささげた後、森田会長が「被爆者の最大の目的は世界の平和。広島、長崎のあの災いが起きないように被爆体験を伝えていくことが仕事だ」とあいさつした。
 ピーク時の会員数は約270人だったが、高齢化が進み、現在は約110人。被爆者でなくても、平和の尊さを訴える活動に参加できるようにしようと2008年8月、現在の名称に変更し、役員にブラジル人も迎えた。
 厚生労働省によると、在外被爆者数は韓国、米国に次いでブラジルが多く、約150人が被爆者健康手帳を持っている。

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