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日本ハム=現地法人「NHフーズ」開設=18年までに国内生産へ

 創業73年を誇る食品加工メーカーの大手「日本ハム株式会社」(英語名・NHフーズ、本社=大阪市)が4月にサンパウロ市に開設した現地法人「NHフーズ・ブラジル有限責任会社」(NH Foods do Brasil)の船出を祝い、4日にサンパウロ市チボリホテルで開設記念イベントを開いた。
 同社は20年近く当地に事務所をおいていたが、07年に一旦撤退した経緯がある。しかし、現地法人がないことで、不便も生じていた。昨年5月にサンタカタリーナ州産生鮮豚肉の輸入解禁されたのを機に、再進出が決まったという。代表取締役社長には当地での語学研修経験があり、入社以来ブロイラーの営業を担当していた西裏昌弘さんが就任した。
 主要目的はトレーディングおよび内販。自社工場もしくは委託の形で2018年までに国内生産を始める見通し。
 現地法人閉鎖以来、再進出を訴えてきた西裏代表取締役社長は、「加工食品を通してブラジルに食品を提供し、ブラジル企業として認知されるようになりたい」などと話し、腰を据えて当地事業に取り組む姿勢を見せた。
 坂東冠治海外食肉事業部長は、「輸出余力のある地域、食肉生産の伸びる地域に進出し、グローバル化していきたい。『食べる喜び』を世界に」と意気込んだ。
 ブラジル日本商工会議所の藤井晋介会頭は「ブラジルは2040年まで人口増加が続く。新中間層も爆発的に増えており、高級志向が強まっている。再上陸を決めたことは時宜を得たご判断」と話し、乾杯の音頭をとった。
 同社は「食べる喜び」をモットーに、食肉、加工、乳製品、水産の4分野を中心に事業を展開。海外進出は1977年に開始、現在16の国と地域、62カ所に拠点を置く。昨年は1兆1200億円の売り上げを計上した。

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