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女性元首の国のマシズモ

 ポ語を勉強し始めた時、男女が混じった集団を指す時は、男性が一人でも含まれていたら「eles」(彼ら)になると知り驚いた。「ポルトガルやブラジルはマシズモ(男性優位主義)の国なのだろう」と想像していたが、実際に来てみるとそれほどでもないと感じた。「ブラジル人は基本的にマシスタよ」と言う女友達は皆仕事をしていて、男性と同じように扱われているかのような雰囲気だった▼1日付エスタード紙のコラムによれば、ラ米は政府要職に就く女性が最も多い地域だという。ジウマ、キルチネル、バシェレ氏など現役女性国家元首の存在も目立つし、大統領の座を争うジウマとマリーナに囲まれると、男性のアエシオはかすんで見える。少し前までは独裁軍事政権下で男性が統治し、マシズモが昔から根付く地域であることを考えると画期的な状態だろう。そんなラ米地域だが、国連のラテンアメリカ・カリブ諸国経済委員会が女性の権利向上キャンペーンを行っている▼というのも、一般社会に目を向けてみると、依然男女間の就業率の差は激しい。同コラムによれば、男性の就業率が80%で女性は50%。個人所得を得る術を何も持たない男性は12%であるのに対して女性は33%。多くの民間企業で女性の給与が男性より低いという。経済的な依存は女性への暴力を助長し、不健全な状態を生む▼国際社会から見れば、女性元首の存在で「女性の活躍」が実現している模範的地域―社会全体でそうであるわけではない。政界や法曹界での女性の進出が著しいのは喜ばしいことだが、それが一般社会に浸透するのはまだ先のことか。(詩)

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