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最高裁判所で審議する様子(Foto: Jose Cruz/Agencia Brasil)
最高裁判所で審議する様子(Foto: Jose Cruz/Agencia Brasil)

FGTS追加受取り裁判=最高裁は価値修正に理解示す=払うべきだが資金がない?

 3月に最高裁判所(STF)が「FGTSの価値修正の計算に使われて来たTR(Taxa Referencial、補正比率)では、現実よりも低すぎる」という判断を下した。そのため、1991年から2013年までの間にFGTS(勤務年限保障基金、いわゆる「フンド・デ・ガランチア」)を引き出した人は裁判に訴えることで価値修正分を追加でもらえる可能性がある。これは最終判決ではないが、3月の判断を受けて、すでに裁判手続き代行業者からの勧誘チラシが各家庭に郵送されている。裁判に参加すべきなのか―状況を探ってみた。

このような裁判手続き代行の勧誘チラシが郵送されている

このような裁判手続き代行の勧誘チラシが郵送されている


 4月16日付けExame誌サイト記事によれば、1991年からFGTSはTRを使って価値修正されてきたが、99年からTRにはインフレが反映されなくなった。99年から13年までにTRは計30%修正されたが、インフレ基準を示す広範囲消費者物価指数(IPCA)なら計150%も上昇した。その分、FGTS金額は目減りしたことになり、その差額分を求める裁判が5万件も起こされていることから、最高裁が判断を下した。
 3月24日付けG1サイトによれば、99年にFGTS口座に1千レアルがあった人は、TR修正だと現在1340レアルにしか増えていないが、インフレ修正なら2586レアルになっているという。
 古賀アデマール弁護士に聞いたところ、「月給の金額によりますが、人によっては何千レアル以上を受け取れる人もいると思います。いくら請求するかを計算するのに、その期間にいくら口座にあったかを証明する書類が必要です」という。さらに「すでに引き出した人が主な対象ですが、引き出さずに口座に持っている人でも裁判は可能です」と解説した。
 裁判申請は弁護士に依頼することになるが、通常、受け取った金額の20%が手数料となるという。古賀弁護士はすでにサルネイ、コーロル両大統領時代のポウパンサ凍結に関する請求裁判を多く手掛けた実績がある。
 とはいえ、同Exame誌サイト記事によれば、《最近公表されたFGTS基金の資金総額は3750億レアルしかない。専門家の試算によれば、最高裁判断を実行した場合、連邦貯蓄銀行は労働者に対し、総額2150億レアルも払う必要がでてくる。「誰がその金額を払うのか?」と金融の専門家は問いかけている》とあり、最高裁が「すべき」と判断しても〃ない袖は振れない〃状態だと指摘する。
 同記事は《この裁判に入る人は、どんな弁護士であっても(労働者側に)有利な最終判決を保証することはできないことを、承知しておくべきだろう》と締めくくっている。

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