ホーム | 日系社会ニュース | ■ひとマチ点描■教育としての「日本食」

■ひとマチ点描■教育としての「日本食」

陶芸家の本間秀子さんが寄付した立派な陶器で食べる生徒たち

陶芸家の本間秀子さんが寄付した立派な陶器で食べる生徒たち

 「とっても美味しい。これを楽しみに待っています」。日比野亜里紗さん(13、二世)は13日正午、そうほほ笑んだ。サンパウロ市の大志万学院では毎週木曜、2年生から9年生までの生徒が順繰りに学年ごと、母親が作った日本食を食べる「アルモッソ・エスペシャル(特別昼食)」が98年(初代責任者は坂口律子さん)から行われている。
 「起立」「礼」「いただきます」―行儀よく生徒は食べ始める。日本語教師の芝田早苗さん(41、四世)は「今は家庭で日本文化に触れない生活をする生徒もいる時代なので、このような機会は重要。日本食に慣れ、食べ方を学習します」と意義を説明する。
 愛情のこもったクリームコロッケ、高野豆腐の煮物、天ぷらソバ、手巻き3品、最後の苺ミルクアイスまで手作りだ。中には朝7時に来て仕込みをする母親も。学年ごとに実施するので生徒にすれば2カ月に一回の楽しみ。生徒20人前後に対し、母親も十数人準備に集まる。斉藤上田永実副校長も「お母さん方の協力があるからできるんです」と感謝した。(深)

image_print