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アパグループ代表=元谷夫妻が来伯講演=自説〃悪いのはアメリカ〃=成功談、歴史観を披露

 マンション建設やホテル経営業などでグループ連結売上高1千億円以上を誇る「アパグループ」(本社・東京都)の元谷外志雄代表(71、石川)と傘下アパホテル取締役社長の芙美子夫人(67、福井)が初来伯し、13日にブラジル日本会議(徳力啓三理事長)がサンパウロ州バルゼン・グランデ・パウリスタ市で開催した親睦忘年会で講演会を行なった。日本史にも造詣の深い元谷代表は、事業成功の秘訣に加え、日本の自虐史観が形成された経緯を紐解くなど独自の歴史観を披露、同会会員および企業経営者ら約60人が聞き入った。

 今年9月の皇居勤労奉仕で訪日した徳力会長が、元航空幕僚長・田母神俊雄氏の紹介で元谷夫妻と面会したことが今回の講演に繋がった。同会長は「日本研究家としても有名な方。私達の間違った歴史認識を正す良い機会に」と挨拶した。
 元谷夫妻は歓迎に対して礼を述べ、「昨今、日本がおかしくなり始めている一方で、ブラジルにはかつての日本の良さを持った方が沢山いる。思想的連帯感を日本の反対側で感じることが不思議」と驚きを見せた。
 同代表は28歳で注文住宅販売会社(現アパ株式会社)を創業、今は14の企業から成るアパグループの舵を取る。月刊誌『アップルタウン』(毎月5万5千部発行)の編集長で、08年に田母神氏が航空幕僚長を更迭される原因となった『「真の近現代史観」懸賞論文』を主催、保守派財界人と定評がある。
 同代表は「成功の要因は中学時代に父親を亡くし、早くに自立できたこと」「金融メカニズムを知ることが事業家にとって一番大事」など、自身の半生を振り返りながら成功の秘訣を講演。
 話題は日本の歴史問題へと移り、「太平洋戦争の原因は、欧州戦線へ参戦したがっていた米国の企て。戦後からの自虐史観はGHQの言論統制策に起因している。日本が近隣諸国と領土問題や歴史問題を抱えている理由は、地域に争点を発生させることで国家間の連携を阻止する米国の戦略の一つ」と持論を展開し、「米中の事情を優先して考える政治家が多い。日本を第一に考える〃日本派の政治家〃を強く支援していく」と力説した。
 芙美子夫人は信金開発株式会社(現アパ社)の取締役を経て、94年にアパホテル社長に就任した。「私が社長です」のキャッチコピーとともに派手な帽子姿がメディアで取り上げられ、有名社長となった。
 同夫人は夫との馴れ初めや夫婦円満の秘訣を、冗談を交えながら披露。「2600人の従業員の中には私よりも経営者向きの人材がいるかもしれないが、グループを愛し、母親的な献身さを持つのは私だけ。それが経営の秘訣」と語ると、会場から拍手が起こった。
 会場からは、夫妻の経営の手腕に驚きの声が上がっていた。徳力会長は「今回は参加者が少なかったので、是非もう一度来ていただき、講演会を開きたい」と話した。

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