ホーム | 日系社会ニュース | 「日本の遠い記憶聴いて」=琵琶奏者 櫻井亜木子さん来伯=外交120周年記念で巡業=聖市公演は17日
「日系人の皆さんの前で演奏することが楽しみ」と語る櫻井さん
「日系人の皆さんの前で演奏することが楽しみ」と語る櫻井さん

「日本の遠い記憶聴いて」=琵琶奏者 櫻井亜木子さん来伯=外交120周年記念で巡業=聖市公演は17日

 日本文化庁による「文化交流使」の任命を受け、薩摩琵琶奏者の櫻井亜木子さん(38、東京)が初来伯した。12日に着伯し月末まで聖市、リオ、パラナ州マリンガなど国内各地で巡回公演する。ブラジリアでは外交関係樹立120周年の開幕式典という位置付けの新年会(28日、大使公邸)でも演奏することになっており、「日本文化の本質を感じてほしい」と期待を込めた。

 琵琶との出会いは東京音楽大学在学中。「琴を学びたいと申し込んだら、教務課の手違いで琵琶になっていた」と笑って話す。琵琶が並ぶ教室で先生の大歓迎を受け、本音も言えず流される格好で琵琶楽の世界へ。そんな出会いではあったが、「初めて音色を聞いた時は鳥肌が立ち、涙が出てくるくらい心に響いた。心の琴線に触れやすい楽器だと知った」と魅力を語る。
 卒業旅行として栃木県の湯西川温泉を訪れた。同温泉は壇ノ浦の戦いでやぶれた平家が身を寄せた集落。平家物語を語る際、伴奏に用いるのが琵琶とあって結びつきの強い場所だった。偶然にも即席演奏会を頼まれ、徐々に引き込まれていったという。
 08年の日本琵琶楽コンクール優勝を機に、京都・六波羅密寺、下関・赤間神宮などでの奉納演奏を行なった。NHKの番組出演、作曲家・小椋佳の全国ツアー帯同、氷川きよし、藤あや子など有名歌手の録音にも参加している。
 そんな経歴の彼女だが、文化交流使に指名された時は疑問も感じたという。「私には何が出来るだろう。自分にとってはとても良い経験になるけれど…」と、その役割は漠然としていた。しかし日本国内外で活動する実業家からかけられた「私はモノ作りのプロだけど文化までは運べない」という言葉で意識が変わったという。
 どんな日本製品でも国外に輸出することはできるが、文化という価値観を運ぶことは、どれだけ優秀な経営者でも容易ではない。「少しでも日本を身近に感じてもらう使命があるのだと気付かされた」。
 外交樹立80周年を迎えた中米エルサルバドルを経て当地へ。2月は米国、3月は英国、イタリアを歴訪する。世界最大の日系社会が存在する当地では「生活や育ち方が違っても、日系人には日本人の血が流れている。同じ遺伝子を持つ方は、どんな反応をするのか楽しみ。遠い記憶に働きかけるような演奏が出来れば」と期待をこめて語った。


リオ、マリンガでも=一般向け琵琶演奏会

 聖市では13日の日本人学校を皮切りに、日語センター、憩の園、熟年クラブなどで演奏を行なう。
 一般公演は17日午後7時から、ベルジーゼス区のエスパッソ・カシュエラ(Rua Monte Alegre, 1094)で(10日付け既報)。
 21日はリオのブラジル銀行文化センター26号室(Rua Primeiro de Marco, 66)で、22日は労働裁判所文化センター(Av. Pres. Antonio Carlos, 251)で共に昼12時半から。
 23日午後7時半からは、マリンガの移民百周年記念日本公園(Rua Tulipa, 987)で夕食コンサートを行なう(一人75レ)。
 櫻井さんのオリジナル曲「桜島」は動画投稿サイトYou Tube(youtube.com/watch?v=rLx-JX3jyyA)、活動の様子はフェイスブック(facebook.com/akiko.sakurai.1690)から。

 

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