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格差拡大する世界からみた日本のすごさ

 話題のフランス経済学者トマ・ピケティ著『21世紀の資本論』の概要は《資産によって得られる富の方が、労働によって得られる富よりも速く蓄積されるため、資産家はより裕福になりやすく、資本主義経済が続く限り、格差は拡大し続ける》(週刊新潮昨年11月20日号)ことだという▼同号いわく《アメリカは1%の「勝ち組」が富の93%を手にする「超格差社会」で、格差は年を追う毎に拡がり続けています。とくにこの10年で所得が上昇したのはトップの10%だけで、残る90%の人々の所得はグンと減っています》▼昨年11月14日付カルタ・カピタル誌電子版にも、金融危機直後の09年3月から昨年同月までの厳しい時代において、世界の億万長者は793人から1645人に倍増し、最多は米国人492人、次に中国人152人、ロシア人111人、ドイツ人85人、5番目は伯人で一昨年の46人から65人に急増とあった▼同リストの最上位85人は危機後の時期でも一日当り6億6800万ドルもの資産を増やし、その資産総計は世界人口の約半分35億人のそれに相当する!▼site.adital.com.brサイト昨年11月26日付はラ米カリブ地域ほど格差拡大の顕著な地域はないとし、《億万長者の資産にわずか1・5%の増税を課すだけで、世界の最貧地域住民に最低限の衛生環境を保証し、その子供を学校に通わせられる》と提案▼世界最強のはずの米国大統領ですら難しいのが「最富裕層への増税」だ。GDP世界3位の日本で同リストにいるのはわずか27人。世界有数の格差拡大国に在住だからこそ、「豊かだが格差が少ない」社会のすごさが身に沁みる。(深)

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