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イヴァン・ハマーリョ開発商工副大臣
イヴァン・ハマーリョ開発商工副大臣

商議所部会長シンポ=悩み多き一年を振り返る=W杯や大統領選挙で稼働日減=通信業界や化学品は好調

 ブラジル日本商工会議所(村田俊典会頭)は2015年度上期「業種別部会長シンポジウム」を24日午後、サンパウロ市内ホテルで「再生目指すブラジル経済! どう頑張る日系ビジネス」を副題に開催。170人が出席し、参加11部会の代表者が14年度の回顧と15年度の展望を話した。昨年を「厳しい一年だった」と評価する業界がほとんどで、レアル下落、金利上昇、インフレ加速、ペトロブラス問題、水・電力不足、大統領選挙やW杯の悪影響など悩み多き一年となったようだ。

部会長の発表を聞く参加者ら

部会長の発表を聞く参加者ら

 好調だった部会は僅かで、代表格は「運輸サービス部会」の通信業界。スマートフォンの急速な普及により、3G、4G契約者数が著しく伸び、主要4大キャリアの年間設備投資額の合計は210億レアルに上った。また、「化学品部会」も好調で経済低迷の影響も少なく、過去10年は年間10%成長、今後も活発な新商品開発が続くと予想される。
 伸びが期待された「食品部会」は、W杯の好影響で飲料部門はビールを中心に消費は好調だったものの、食品産業全体では、景況感悪化に加え、コスト増による値上げの影響で物量ベース前年比90%、金額ベース前年比並み、「これほどの落ち込みは想定外」と結んだ。

不動産賃料は鈍化傾向

 15年予測では、消費財の高インフレは継続、公共料金の値上げに伴い中流層が牽引してきた消費心理の低調さは継続。レアル安、原燃料コスト上昇により収益面の悪化も懸念される。
 「建設不動産部会」の建設部門は、ブラジル経済の減退による日系企業の投資鈍化やペトロブラスの汚職問題による発注遅れやゼネコン不在に苦しんだ。その一方で、プレハブ部門は日本流の「納期、施工、工期」の厳守が浸透、受注を伸ばした。
 不動産部門ではサンパウロ市やリオ市の賃貸マンションの賃貸料が上がりつづけているが、昨年に引き続き鈍化傾向が見られ、横ばいムードとなりつつある。
 「自動車部会」の四輪部門は、14年の販売台数が約350万台で、12年の380万台をピークに前年比93%と2年連続で前年を下回った。輸入車比率は18%と3年連続で低下。さらに中古車市場は乗用車・軽商用車の販売台数が過去最高の1005万台に達した。
 二輪部門の生産・販売ではW杯による稼動日減、経済環境の悪化により前年比94%と前年比を下回り、3年連続で前年割れとなった。

伸びるタブレットとスマートフォン

 「電気電子部会」は、前年はスマートフォンとトラディショナル携帯(ガラケー)の販売台数、タブレットとノートパソコンの販売台数ともにほぼ横並びだった。14年にはスマートフォンが伸長、全体の約7割を占め、タブレット端末も急伸しノートパソコンを追い越した。15年予測は、中長期では悲観的でないものの、短期的には景気の好転が期待できず、ひたすら耐える一年と見ている。
 低迷景気に苦しむ「繊維部会」では、中国製衣料輸入は若干鈍化したものの、ベトナム製やインドネシア製の勢いが強まっており、W杯・大統領選挙による消費低迷、電力・水供給不安とコストアップに喘ぐ一年となった。15年も好転材料に乏しく、厳しい一年になる予想と結んだ。
 「機械金属部会」も昨年はW杯による稼働日減、大統領選による経済活動の停滞、自動車販売台数の減少やペトロブラス問題による公共事業の入札停止、労働者解雇や日本からの投資減退など八方塞の一年となった。

「新政権の経済スタッフに期待」

 イヴァン・ハマーリョ開発商工副大臣は新貿易政策について「目的は輸出製品、輸出先、原産国の多様化」とし、「計画が実現すれば輸出と貿易全体が拡充されることになる」と話した。
 国家輸出振興庁(Apex)のミシェリ・カンデローロ氏は「地球に食糧を、生命にエネルギーを」をテーマに15年に開催されるミラノ万博について紹介し、ブラジル館の特徴を説明した上で、日本企業の協賛を呼びかけた。
 講評に立った在聖総領事舘の佐野浩昭首席領事は、120周年事業に対する会議所会員企業の協力に感謝し、「日本ブランドを広めるためにジャパンハウスも大いに利用して欲しい」と話し、大使館の小林和昭参事官は課題が山積みのブラジル経済について触れた上で「日系企業の力強さを感じた」と話し、「経済スタッフが一新し、政府とのアポイントメントが取りやすくなり、期待できる。日系企業にもチャンスが広がっている」と期待を込めた。

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