ホーム | 日系社会ニュース | ロンドリーナ西本願寺=若者向けに歌で仏教広め=バンド「お寺依存」活動中=堅田住職の斬新な取組み
堅田住職(中央)とバンドのメンバー
堅田住職(中央)とバンドのメンバー

ロンドリーナ西本願寺=若者向けに歌で仏教広め=バンド「お寺依存」活動中=堅田住職の斬新な取組み

 ロンドリーナ本派本願寺(通称「西本願寺」)の住職・堅田玄悠さん(37、滋賀、かたた・げんゆう)が、バンド「お寺依存」(Oteraizao)を結成、仏教音楽を通した布教活動を行っている。一風変わったバンド名は、「お寺に依存する」の意と「大きいお寺」(名詞の語尾に「ao」が付くと強調の意味になる)の意をかけたもの。2011年から同寺所属のバンドとして法話の時に歌ったり、アニメのイベントに出演して寺の活動を宣伝したりと、布教の場を広げている。若手日本人住職のチャレンジが、寺に新たな息吹を吹き込んでいる。

 生家は滋賀県大津市の正覚寺。ハードロックやヘビメタが大好きで、大学時代もバンド活動をしていた。経典の学習中に日本へ留学していたブラジル人僧侶に出会い、僧侶が不足している当地の仏教界事情を知った。
 「向こうの寺の方が、将来性があるんじゃないか」と考え、開教師試験に応募、06年に当地へ赴任した。布教活動を進める中、「こっちの人は話を聞くよりも、歌のように皆で参加出来るものの方がウケる」と感じ、09年ごろから妻と二人三脚で仏教歌を作り始めた。
 歌詞は基本的に日本語だが、ポ語のフレーズを散りばめて非日系でも口ずさめるように配慮した。「法話の時に演奏すると、ブラジル人の若者も一緒になって合唱してくれる」と喜ぶ。楽団メンバーは一時滞在中の日本人留学生が中心だ。
 昨年5月に自主制作したアルバムは「300枚ほとんど売り切れた」と反響も良い。すでに2枚目のアルバムを制作中で、今年中に発表予定だ。
 堅田さんは「新興宗教はメディアにもよく取り上げられて、非日系相手に活動的。西本願寺は体制が違うので急に同じようにするのは難しいが、もっとポ語での布教が必要だと思う」と話し、「歌を通してブラジル人にも興味を持ってもらい、寺が活動的になれば」と意気込んだ。
 CD購入希望者は同寺(住所=Rua Porto Alegre, 600, Jd. Agari Londrina, 電話=43・3322・3228、サイト=oteralondrina.syogyoumujou.com)まで。

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