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元PT弁護士がラヴァ・ジャット裁判の判事に

 昨年7月にジョアキン・バルボーザ最高裁長官が退職した後、大統領に後任が指名されないまま8カ月が過ぎ、セルソ・デ・メーロ判事は「大統領の不当かつ理由のない手抜きだ」と厳しく非難した。最高裁判事は大統領が指名し、上院が承認するからだ▼この指名遅延は、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)による政治家捜査開始と関係している。上院議長がLJの捜査対象となったことで激怒し、「検察庁長官を議員調査委員会にかける」と脅す発言までし、「判事指名の否認もありえる」と息巻いた▼さる歴史家によれば「最高裁判事指名を上院が否認するのは、共和制初期以来、一世紀なかった。誰もそんな不名誉な目に遭いたくない」という▼最高裁前長官退職時、大統領は「選挙後に指名する」と言った。当時はLJ作戦がこれほど深刻な事態をもたらすとは、誰も予想していなかった▼最高裁は通常2班に分かれ、重大案件だけ全員で審理する。LJも下議審理は第2班で、両院議長の時だけ全員で審理すると報道された。今回指名される判事は、LJ裁判を担当する第2班に入る予定だった▼でも、ジアス・トフォリ判事が第2班移動を申し出たことを最高裁長官が11日に認めたことで、批判が高まっている。トフォリ判事はPTの弁護士を長年務めてきた人物として有名だ。しかも班移動が公表されたすぐ後、大統領ら現政権要人と〃打ち合わせ〃をした▼自分を任命した与党幹部を判事が裁けるか―という司法独立の問題でもある。果敢にそれに挑戦した前長官退職後、メンサロン被告は次々と自宅で刑期を過ごす処置になった。さて噂の人物の判決はどんなものか――。(深)

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