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外交120周年=「花火祭り」で日本文化PR=寄付金は目標の7割達成=外務省が20万ドル充当=皇室ご来伯も実現か

外交樹立120周年ロゴ

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 日伯外交関係樹立120周年記念事業ブラジル実行委員会(梅田邦夫委員長=駐伯日本国大使)は先月30日午前、在聖総領事館で第5回会合を行なった。在伯企業からの寄付金は目標額200万レのうち7割を達成。外務省から別途20万ドルを上限に、120周年文化事業経費が充てられたとも報告した。サンパウロ市南部インテルラーゴスで9月12日に開催される「花火祭り」との連携企画を検討しており、「さらなる予算要求もしていく」とした。皇室のご来伯に関しては未確定ながら、「実現するはず」と期待を込めた。

 会議後、梅田大使と広報文化班の髙田行紀一等書記官が取材に応じた。
 花火祭りの会場について梅田大使は、「広い面積を確保できること、オーナーも花火の開催に賛同したこと」を理由に挙げた。演出を担当する服飾デザイナーのコシノ・ジュンコさんらと視察を済ませ、決定に至ったという。イビラプエラ公園、ジョッキー・クラブ、カンポ・デ・マルチなども候補だった。
 午後6時から、ブラジル産花火を7千発打ち上げる予定だが、イベント自体は午後4時から開幕予定。当地で人気のある日本の有名歌手を招いた音楽ライブ、日本食などの屋台、盆踊りなども盛り込むことで『花火祭り』という呼称を使用する。集客目標は2万人。
 過去にも同会場で花火大会を行なったことがあり、近隣が大渋滞で混雑し、会場にたどり着けなかったりしたこともあったことを受け、髙田書記官は、「当時は交通規制もなかったと聞く。今回は必要な準備をすすめる」と対策を約束した。
 日伯共同事業展覧会は2月末、第4回ミナス日本祭り(ベロ・オリゾンテ)で始まった。運営するJICAから、「もっと出店企業を募りたい。映像なども用意し、より充実した内容を図る」との報告があったという。パラー州ベレン(5月29日~)、ブラジリア(6月20日~)、サンパウロ(7月24日~)と巡回する。
 前回、特別事業に加わった日本館改修は7月頃になるという。またマスコットキャラクター「チカラ」「ケイカ」は、調整がつかず使用が見送りになった。
 次期会合は5月下旬に行なう。


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 120周年委員会は花火祭り、展覧会、日本館改修という3つの記念事業に対し、200万レの寄付を募っている。当初は一口1万レからと設定したが、難色を示す者が多かったことで、1月下旬に変更。特定の金額を定めず、幅広く寄付を募っているのだとか。最低額が撤廃されたことで、関心を示す日系企業もあっただろう。それでもまだコロニアの腰は重いのが現状だ。
     ◎
 梅田邦夫大使の希望していた「NHKのど自慢ブラジル大会」は見送りとなったが、同局はドキュメンタリー番組の制作を進めている。同大使によれば、1時間の構成で戦前、戦中、戦後の移り変わりを、日伯交流史になぞって描いた内容となるようだ。画家の大竹富江さん、パラナ州ロンドリーナの写真家・大原春雄さん(ともに故人)にもスポットライトを当てるとか。ブラジルの活躍に対して、日本ではほぼ無名のお二人。知名度を上げるきっかけになるか。

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