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不双関係者の皆さん
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不双インターナショナル=コーヒー見本市に初出展=日本製包装機の導入図る

 お湯を注ぐだけで本格コーヒーが味わえる、日本で大人気の「ドリップ(一杯抽出型)コーヒー」を当地に普及するべく、コーヒーや茶の包装機メーカー「不双産業株式会社」(鈴木保彦代表取締役、本社=静岡県菊川市)の関係者が来伯、情報収集もかねて9日から4日間エキスポセンターノルテで開催中の食の総合見本市「第31回Fispal」に出展している。

ドリップコーヒーバッグ

ドリップコーヒーバッグ

 ドリップコーヒーとは、一人分のコーヒーが入った紙状のバッグを開いてカップに設置し、中央にお湯を注ぐと淹れたてコーヒーが飲めるという〃簡易コーヒーメーカー〃だ。鮮度も保てて手軽なことから、日本では年間16億杯が売れる超人気商品となっており、台湾、中国、韓国、インドネシアなどアジア諸国を中心に広がりを見せている。
 不双産業は、海外進出をサポートする商社・株式会社ナサと共に「不双インターナショナル」というブランド名で国外販路の開拓を進めており、コーヒー包装機の輸出先は10カ国以上に上る。ブラジルはコーヒー生産大国だが、このようなタイプの包装バッグがほとんど流通していないことから本格進出に乗り出した。
 「ちゃんとしたコーヒーは今まで喫茶店や家で豆を挽いて飲むものだった。でもこのバッグがあれば、こうしたコーヒーが自宅で飲める」とナサ社の野田悠介さんは商品の魅力を説明する。
 不双産業の高田文好取締役は「輸出が中心だったブラジルも自国でコーヒーを消費するようになり、こういう商品が受け入れられるようになってきた。まだここで知られていない形状のバッグなので、面白いと思ってもらえたら」と市場開拓に意気込みを見せた。
 「日本では値下げ競争で価格がどんどん低下している」(高田さん)ため、他国でならバッグの利便性やデザインなどを付加価値として、より高価で売り出せるのではないかとの狙いもある。
 例えば同社は、従来は平面状の紙製が主流だったティーバックのイメージを刷新し、半透明のメッシュ製三角錐型ティーバッグを開発。ピラミッド型なので様々な形状・大きさの茶葉に対応できる上、透明で中身が確認できることから、見栄えもアピールしたい高品質茶葉に多く利用されている。今では世界50カ国以上に輸出されている人気商品となっており、こちらも世界各地の見本市に出展されているという。
 高田、野田両氏および、不双インターナショナルの伊藤慶人・南米営業担当、不双産業の濱永圭介製造部技術担当が13日まで滞伯し、見本市で市場調査と売り込みを行い、ブラジル進出の糸口を探る。


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 ブラジル進出を図るコーヒー・お茶用の包装機メーカー「不双産業」は、南米ではアルゼンチンとチリに機器を輸出した実績がある。しかし所変われば品変わるで、アルゼンチンは、日本で通常お茶用に使われる三角錐型ティーバックをコーヒーバッグとして使用。カップの外側に垂らす糸のついたピラミッド型包装で、「国内のスーパーには大体入っている」(高田さん)という状況とか。オーストラリアやニュージーランドもコーヒーバッグはこの型が人気だそう。ブラジルではどのタイプのバッグがウケるのか、見本市での反響が気になるところ。

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