ホーム | 日系社会ニュース | 兵庫県伯事務所=県庁派遣の新所長が就任=山下亮さんは引退へ
左から兵庫県人会の尾西貞夫前会長、山下さん、彌城さん
左から兵庫県人会の尾西貞夫前会長、山下さん、彌城さん

兵庫県伯事務所=県庁派遣の新所長が就任=山下亮さんは引退へ

 パラナ州にある兵庫県ブラジル事務所の山下亮(まこと)所長が退職するにあたり、副所長の彌城正嗣さん(60、兵庫県淡路市)が来年4月新所長に着任する予定、知事来伯や進出企業の支援に向けて意気込んでいる。
 現地採用で長年所長を務めた山下さんは、「もう自分は老体なのでゆっくりするつもり」と引退を表明。今後は県派遣の駐在員が代わりを担うという。彌城さんは県庁退職と同時に再任用された。
 彌城さんは「ブラジルに進出する県系企業が増えてきた関係もあり、直接県庁と話がしやすいように」との県の配慮を代弁し、「兵庫県は海外事務所を5つも持つ。ブラジルへの県職員派遣は兵庫が初めて」と珍しい取り組みであることを強調した。
 技術研修制度など南米との交流が盛んだった80年代に入庁したため、当地在住の知人も多いという。「昔の交友を温めたいし、いろんな方にお会いしてこれからの役に立てたい」と語った。
 県系企業や新たに進出を図る企業が増えていることから、その支援にも当たることになるようだ。2009年から当地進出を図る兵庫県漁業協同組合連合会の活動も実を結びつつあり、「海苔の工場設立はほぼ立ちえることになるだろう。二の足を踏んでいる間に、中韓の安い部材の供給がどんどん盛んになっていく。工場ができたらそれを基盤にますます部材関係の進出が可能になる」との明るい見通しを語った。
 また、1986年に提携関係を結んだパラナ州パラナグアーと淡路はどちらも内海に面した漁業の盛んな都市のため、「例えばえびやひらめの養殖など、内海同士の協力も可能」と漁業面での交流活性化にも期待を示した。
 8月23日にある兵庫県人会創立55周年には知事も来伯し、滞在期間中にリオ、パラナ、アスンシオン、パラグアイなどを訪問予定。彌城さんは「8月までは知事来伯に向けた準備を進める」と初仕事に意欲を見せた。

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