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ドウラードス日本語モデル校=創立25周年を顧みて=校長 城田 志津子=(6)

 和太鼓「絆」の響きが地域を繋ぐ

 後半の15年は開校当初に比べますと生徒数は半数にも及びませんが、それなりにきめ細かなゆとりある授業ができました。
 また、和太鼓の導入がリーダーを育て、そのリーダーたちによってブラジル社会との交流が盛んになり、非日系の生徒が入学してくるようになりました。
 他方、長い間、停滞気味であった連合会傘下の日本人会も、日本移民年百周年を機に日本就労者も帰国し始め、地域の日本人会にも活気が出始めました。そして日本人会を再開し日本語学校開校に向けてバザーを行っている会には、本校の生徒たちが参加して和太鼓や日本舞踊などでイヴェントを盛り上げています。 
 また、本校の生徒たちがそれぞれのブラジル学校のイヴェントにおいても和太鼓や日本舞踊で会場を盛り上げ、日系、非日系を問わず、お互いの国の文化を理解し共有しながら、交友関係を通して日本文化を南マットグロッソの大地に芽吹かせてくれたことは、何よりも嬉しい限りです。
 この陰にはJICAボランティアの活躍が大きな力となっています。

 古代の人の知恵に学ぶ

 風のように駆け抜けた25年間ではありましたが、これも偏に JICA国際協力機構、国際交流基金、日本語センターを始め、モデル校関係者の皆様方、また言葉に言い尽くせない多くの方々の温かいご支援のお蔭です。
 またどんなに苦しい時にも元気よく学校へ通ってくれた生徒のみなさんの笑顔が、私たち教師を明日に向かって進ませてくれました。そして、子供たちと共に夢を描き夢をつむぎながら楽しく年月を重ね、25周年を無事迎えることが出来ましたこと、皆様に心より感謝申し上げます。
 日本を代表する木造建築、法隆寺の五重塔は千三百年もの風雨に耐えて現存する世界最古の木造建築として有名であり、用材においても千年以上も生きてきたヒノキ材を選んで建立され、気の遠くなるような永い年月、ゆがみもなく当時のままの姿で人々を見守っています。
 一体、私たちに何を語りかけているのでしょうか。昭和の有名な宮大工の棟梁、西岡家に伝わる口伝があります。

    「塔は木組み、木は木のくせ組み、木のくせ組みは人組み、人組みは人の心組み」。

 飛鳥の工人たちはこの言葉を合言葉に、夢と誇りを持って後世に残る法隆寺を建てたのでしょう。
 私達の先輩移民もまた、同じ思いで日本人会や会館、日本語学校を創ったのではないでしょうか。
本校のピンチを救ったものも他ならぬ、古代人からのメッセージであるのかもしれません。
 このメッセージが日本移民200周年に向かわせる大きな力となりますよう願って止みません。
(終わり)

モデル校の生徒たちと七夕祭り

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