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2014年10月から急激に増加するブラジルの公債

2014年10月からウナギ登りのブラジルの公債(Dívida Pública)

2014年10月からウナギ登りのブラジルの公債(Dívida Pública)

 独立記念日に歴史の本を見ていたら、ポルトガル王室は16世紀、植民者に対して輸出商品パウ・ブラジルの収穫の5%を税金として納めさせていたとあった。21世紀、直接間接含めた税金は40%。昔は安かった▼そんなに払っているのに政府は305億レアルの赤字予算を議会に提出した。「支出削減」を主張するレヴィ財相やPMDBと、「増税」を主張するジウマ大統領やPTが対立、「赤字」として出したようだ▼そしてジウマは「第1次政権で間違いがあったとしても乗り越えられる」という仮定表現で事実上「間違い」を認め、レヴィはスペインで企業家に「経済回復は数カ月の問題」と講演したことから、「支出削減」で予算再調整されそうな雲行きだ▼8月30日付フォーリャ紙によれば、15年の政府支出1兆6945億レのうち、税収は1兆3147億レだから3798億レ不足。それを国債発行等で補填するから借金が膨らんでいる▼G1サイト7月27日付け記事によれば、2014年10月から公債がウナギ登りに増加中だ。連邦政府の借金は6月までの1年間で17・28%も増え、総額2兆4900億レアル(5月)にも膨らんだと報じた。13年から上昇に転じた基本金利が一端とまり、勢いよく再上昇を始めた時期だ。同時に借金の利子も上がった訳だ▼今年6月に発行した連邦公債は約666億レだが、同月支払ったのは25億レのみ。同月だけで差し引き約641億レもの借金増だ。同月の公債の利子払いは230億レ、15年全体なら3359億レとか。つまり、それだけで政府予算の教育費や医療費の2倍だ。この金の使い方どこかオカシイ。(深)

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