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メキシコで神様になる方法

 県連の「ふるさと巡り」でメキシコを訪問した。道中のあれこれは別稿で紹介することとして食でいえば参加者に不評だったようだ。メキシコ料理は、2010年にユネスコの無形文化遺産に認定、日本でも人気だ。「辛すぎる」「ごはんものがない」という声にみるように料理自体が年配の日本人向きではないのか。そしてホテルの料理は味気ない。そんな時、記者は夜の街に美味を求めた▼やはりメキシコといえばタコス。街の至るところに鉄板を構えた店がある。ご存知だとは思うが―一応。主食であるトルティージャというトウモロコシ(もしくは小麦粉)を使った薄いパンに、肉や野菜、辛いソースを包み込んだ国民食だ。今回気づいたのは寿司屋にそっくりではないかということである。といっても現在のものではなく、志賀直哉の「小僧の神様」に出てくる時代の、屋台形式のものである▼看板のお品書き(肉やソーセージなど)を見定め注文すると、大将が「あいよ!」とばかりに、鉄板の周りに置かれた肉の塊(ネタ)を切り分け、中央の盛り上がった部分で手早く炒める。それを刻み、蒸気で温もっているトルティ―ジャ(シャリ)でつかみ取り、玉ねぎと香菜を振りかけ、客の皿に投げ入れるように置く。カウンダーには、緑と赤のサルサ(醤油)が置かれており、ハツカ大根、リモン(ガリ)が水に浮かんでいるー一連の流れを想像して欲しい。どうだろうか▼余った肉片でタコスを作り、パクンと口に投げ込む大将を後目に、小僧がいれば奢ってやりたい、そんな神様気分に浸れるタコス屋台。ビールを置いてないのが玉に瑕だ。(剛)

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