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日伯の日系社会の連携を

ブラジルにある日系人向け老人ホーム「憩の園」の創立者・渡辺マルガリーダさん(故人)と在園者たち。これの日本版がいつかできるだろうか

ブラジルにある日系人向け老人ホーム「憩の園」の創立者・渡辺マルガリーダさん(故人)と在園者たち。これの日本版がいつかできるだろうか

 サンパウロ市在住の帰伯子弟適応問題の専門家、中川郷子心理科医の講演を聞く機会が最近あり、愕然とした。「日本のブラジル人児童に自閉症気味の子供が増えているように感じる。彼らは公立学校の特殊学級に入れられているが、ある学校では特殊学級の児童14人中、外国人が13人を占めていた」▼在日外国人支援NPOを立ち上げた大手請負会社アバンセ(本社=愛知県)サイトにある林隆春社長の6月11日付エッセイで、それに関連する記述を見つけた。《ある県の国際センターに来所したブラジル相談者で精神疾患が疑われる人は、2010年4月から10月までの7カ月間で704名、うち、19歳以下の子どもが50%超を占めています。国際センターに来所する人はほんの一部で、相談に来ない障がい者は、この10~20倍は居るものと思われます》。一体、在日ブラジル人子弟に何が起きているのか▼同時に、林社長は気になる指摘をしている。在日ブラジル人の高齢化だ。2004年から2014年の10年間に、20~24歳は約3万6千から1万人に激減、35~39歳は3万1千人から2万人に激減、55~59歳は1万1千人から1万人に微減だが、65~69歳は1657人から3207人に倍増した▼すでに老人養護施設を運営する同社では、そのノウハウを活かして「ブラジル人向け老人ホーム」を計画したが、地域イメージ悪化を恐れる住民の反対でとん挫したとの噂を聞いた▼子どもは精神障害、大人は介護問題…。当地では援協、憩の園、こどものそのなど医療福祉施設が日系社会の自助努力で作られた。今こそ日伯の日系社会が手を組んで、何かをする時代ではないか。(深)

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