「あれから27年ですか――」。パラー州都ベレンで11月3日に行われた秋篠宮ご夫妻来伯歓迎会を前に、本紙パラー州通信員の下小薗昭仁さん(78、鹿児島県)は感慨深そうにつぶやいた。
1957年にアマゾン入植、まだ20歳だった。移民80周年(1988年)の時、まだ独身だった秋篠宮殿下ご来伯歓迎会が市内の平和劇場で行われた際、汎アマゾニア日伯協会の理事をしていた関係で、下小薗さんが司会をした。
「あの時のことは今でもはっきり覚えています。とても緊張しました。『去る』とか『行く』という言葉は縁起が良くないと言われ、直したりしました。殿下はすぐ目の前に座っておられました。今もって人生最大の出来事の一つです」と目を細めた。
今回のご夫妻の来伯も多くの移民、日系人の心に様々な思い出を残されたに違いない。(深)