ホーム | 日系社会ニュース | 核兵器廃絶の想い日伯で共有=ラーモス平和資料館に分灯=未亡人「最後まで感動づめ」
分灯点火の瞬間。左から小川満里子未亡人、渡さん、アルベルトン市長
分灯点火の瞬間。左から小川満里子未亡人、渡さん、アルベルトン市長

核兵器廃絶の想い日伯で共有=ラーモス平和資料館に分灯=未亡人「最後まで感動づめ」

 サンタカタリーナ州ラーモス移住地の平和資料館で12日午後、「長崎平和の灯」分灯セレモニーが行われ、近隣の小中学生や地域住民ら約150人が参加した。日伯120周年を記念してブラジル・日本「平和の絆」交流会(中嶋年張代表)が主催した事業で、歌手の井上祐見と息子笠戸丸ともやす君が〃分灯の使者〃として長崎市から運んだ。きっかけとなった長崎平和の鐘公園を建設した故小川和己さんの妻満里子さんは「最初から最後まで感動づめ。天国の和己にこれを見せたかった」としみじみ語り、静かに手を合わせた。


 「この灯には、絶対に核戦争を起こさせないという誓いが込められている。長崎市民と一緒に、フレイ・ロジェリロ市民の皆さんもこの誓いを広めてください」。サンパウロ市から出席した長崎県人会の大河正夫副会長は、長崎市の田上富久市長からのそんなメッセージと、栗崎邦彦県人会長の言葉を代読した。
 州知事代理のロッケ・スタンゲーリン地域開発長官は「二度と原爆を使わせないという思いをしっかりと共有したい。先日発表された日本のブラジル牛肉解禁は、我が州にとって大朗報。ますます日伯経済は緊密化する」と語った。
 池田敏雄在クリチーバ総領事は梅田邦夫大使のメッセージを代読し、〃分灯の使者〃歌手の井上祐見の挨拶に続き、オズニー・アルベルトン市長は「人口わずか2500人の市に、ラーモス移住地のおかげで大きなプレゼントをもらった。全市民を代表して、この灯の到着を心から歓迎する」と喜んだ。
 小川和己さんの妹婿で、入市被爆者の小川渡さん(原爆被害者と子孫の会会長)は「本当に感激しております。孫、ひ孫の代まで大事に守る。いや、早く消してもいいように核兵器が世界からなくなるよう訴えて行く」との決意を新たにし、涙ぐんだ。
 〃分灯の使者〃から渡された灯を、満里子未亡人と渡さん、市長3人は灯維持ケースに点火し、平和への想いを新たに1分間の黙とうを捧げた。
 笠戸丸ともやす君から長崎市立福田小学校等の生徒からのメッセージが地元小中学校生徒に渡され、逆に千羽鶴が長崎市に渡すよう託された。学校関係者を代表して教師ソランジェ・ヴァス・ピッチさんは「生前、小川和己さんの話を聞く機会に恵まれ、平和の大切さを考えさせられた。この灯を大切に教育に活かしたい」と感謝した。
 本紙取材に対し、パラナ州マリンガから参加した佐々木良法さんは「暴力事件が絶えない国内、国際情勢を思えば、平和の灯の意味は大きい」とのべ、ラーモス日伯文化体育協会の尾中弘孝会長も「この資料館の利用者はほぼブラジル人。この灯により、さらに平和教育で地元に貢献できて、移住地としても有難い」と喜んだ。

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