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中前総領事と石川理事長
中前総領事と石川理事長

草の根資金=医療機器100万ドル弱供与=サ病院と日伯友好病院へ=安倍首相の肝いり、日本製

 日本政府による草の根無償資金協力に関し、サンパウロ市のサンタクルス病院に対する贈与契約署名式が16日、日伯友好病院に対する署名式が22日、在聖総領事館で行われた。一昨年8月の安倍首相訪伯時の日系社会支援、並びに医療・保健分野における日伯両国間の協力促進表明を受けて実現、合計87万1051万米ドルまでの供与となる。両院とも機材の老巧化が進んでおり、最新機材の整備を要望していた。供与機材は全て日本の医療機器メーカー製。

(左から)天内院長、与儀副会長、中前総領事、菊地会長、足立事務局長、小沢病院事務長

(左から)天内院長、与儀副会長、中前総領事、菊地会長、足立事務局長、小沢病院事務長

 サンタクルス病院の14年の診察数は11万2178件で、年間約1万5千件の手術を行っている。今回の協力は、心電図配録器2台、モニター20台、セントラルモニター1台、除細動器2個、ファイバースコープ1個、ストレッチャー20個、および外科手術用スコープ1個の整備に対し支援を行うもの。40万982米ドルを限度に資金を供与する。
 中前隆博総領事は「この資金協力による機材の整備によって、日系病院という枠からさらに地域の中核病院として末永い活動に資することを祈っている」と述べた。
 石川理事長は「日本国政府に支援をしていただいたことに心から感謝申し上げる」と話し、「当病院をショーウィンドウとして、日本の医療機材やそのメーカーがブラジルに広まることを希望する」と語った。サンタクルス病院は1926年に設立され、現在はベッド数166、約2千人の医師が登録されている。
 一方、日伯友好病院(天内ヴァルテル院長)の14年の診察数は54万3448件、検査数は122万2033件。入院数は1万6412件で年間約1万5005件の手術を行っている。
 今回の協力は、乳がん用X線撮影装置1台、ベッドサイドモニター4台、モニター3台、マルチモニター16台、デフィブリレータ(除細動器)1台の整備に対し支援を行うもの。47万0069米ドルを限度に資金を供与する。
 同病院の運営主体、サンパウロ日伯援護協会の菊地義治会長は、「今回供与される機材によって、例えば乳がんの早期発見に大きく貢献することが期待される。これまで以上に地域社会に貢献する存在となるよう努力していきたい」と意気込みを話した。日伯友好病院は88年に設立され、現在はベッド数241、医療チームとして約1500人の医師が登録されている。

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