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たとえ罷免を逃れえても

 大統領罷免への動きが加速する中、進歩党(PP)が「ミスター汚職」ことパウロ・マルフ下議除籍に動き出した。同下議の追放を要請したのはシロ・ノゲイラ党首で、保健相や連邦貯蓄銀行総裁の座と引き換えに連立慰留を乞われたPPを同氏が強い口調で批判した事などが原因だ▼聖市長時代のマルフ氏は「盗むけれど仕事もする」と言われ、公共工事で得た賄賂を米国の銀行に預けていたとして、国際警察の指名手配者にもなっていた。だが、12日には約1カ月前に手配者名簿から名前が消されたと報じられ、その前日の下院特別委員会では罷免審議継続に賛成票を投じた。賛成票を投じると公表した7日には「政府が大臣職などでPP議員を買収するなら、自分は自由だ」と発言、翻訳面担当者らは「これが彼なりの倫理観か」と感心もした▼だが、罷免阻止のための連邦政府のなりふり構わぬやり方は目に余る。初回当選だが、国家干害対策工事局長官に指名されたPPのジョゼ・マリア・マセド・ジュニオル下議は、同局管轄のフランシスコ川での疎水工事で資材を提供している企業の社長だ。彼の1票を得るために10億レ以上の予算を持つ局の長に据えたという事実は、労働者党政権での役職急増は票獲得のためという図式をそのまま表す▼メンサロンやペトロロンはどちらも、議会運営を円滑にするための賄賂の応酬だった事が明確になった後も繰り返される票の売買。粉飾会計で財政責任法が問えなくても、票獲得のために億単位の役職提供とあれば、違法性は明白だ。あのPPさえ連立離脱を表明した今、与野党との橋渡しが出来ないジウマ氏には組閣や国の統治は不可能だ。(み)

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